UNCTAD・従属理論とは?戦後の経済格差の背景をやさしく説明

UNCTAD・従属理論とは?戦後の経済格差の背景をやさしく説明

第二次世界大戦後の大変化 ―「独立って、そんなに簡単じゃない」

皆さん、戦後って聞くと何を思い浮かべますか?
冷戦?日本の復興?アメリカの時代?――どれも正解。でも、もう一つ、絶対に外せないのが「脱植民地化」です。

簡単に言うと、今までヨーロッパの植民地だった国が次々と独立していったんですね。
でも!ここ、強調しておきたいんですけど……独立=ゴールじゃないんです。むしろ、そこからが“始まり”だった。

1960年、「アフリカの年」って?

1960年。これ、歴史の中でもけっこうインパクトのある年です。
アフリカで一気に17カ国が独立した年――「アフリカの年」と呼ばれています。数字だけ見れば、めでたい!ついに自由を手にした!って思うかもしれない。

でも現実は、そんなに甘くなかった。

たとえばアルジェリア。フランスとの独立戦争は、もう地獄のような戦いだったんです。文字通り、血で勝ち取った独立。でもその後、フランスに依存した経済を変えるのは本当に難しくて、「どうやって食べていく?」という課題が立ちはだかります。

そして、コンゴ。ここはもっと壮絶。独立した“翌日に”首相が暗殺。しかも背後にはアメリカとソ連の陰――冷戦が絡んでくる。
え、独立ってそんなに不安定なの?って思いますよね。そうなんです、本当に危ういバランスだったんです。

アジアでも似たような構図が

アジアも例外ではありません。
ベトナム戦争――名前は聞いたことありますよね?あれも、ただの独立戦争じゃないんです。アメリカとソ連の「代理戦争」の側面が強い。

「南ベトナム解放民族戦線」なんて言葉、難しそうだけど、要するにベトナムの中で内戦が起きて、それにアメリカが介入して……という複雑すぎる戦争です。

インドとパキスタンも、イギリスからの独立後に何度も戦争してます。宗教対立、領土問題――独立して「はい終わり」じゃない。むしろ、そこから“争いの幕が開いた”国も多かったんです。

「なんで貧しいまま?」――従属理論の登場

ここで浮かぶ疑問。「なんで独立した国は豊かになれなかったの?」
答えの一つが「従属理論」です。

この理論、ちょっと皮肉なんですよ。
「表向きは独立してるけど、実はまだ経済的には支配されてる」っていう話。
貿易のルール、国際的な価格の決まり方、全部先進国が握ってて、途上国はずーっと搾取される側。…そんな仕組み、あっていいの?って思いますよね。

でも、この理論に対しても、「それだけじゃないよ」って反論もある。
「統治が下手だった」とか「国内の格差がひどい」とか。つまり、答えは一つじゃない。多角的に見る目が必要です。

国連もがんばった。でも…

国際社会はどうした?って話ですけど、1964年に国連貿易開発会議(UNCTAD)ができました。
これは、途上国がもっと有利に貿易できるように、っていう組織です。

たとえば一次産品(コーヒーとか鉄鉱石とか)の価格を安定させたり、途上国向けに特別なルールを作ったり。でも、実際には思ったほど成果は出ませんでした。

理由?――先進国が、本気で協力しなかったから。
ここにも「現実の厳しさ」があります。

「独立=ゴール」じゃなかった!

結局のところ、「独立」は通過点であって、ゴールじゃない
そこから経済の仕組みを整えて、社会を立て直して、はじめて“本当の意味での自立”が始まるんです。

そしてこの問題、今も続いてます。南北問題、地域紛争、経済格差――全部、ここからつながってる。
だから、1960年代の脱植民地化を学ぶことは、今の世界を理解するためのヒントになるんです。

受験対策POINT!

  • 「アフリカの年」(1960年)=脱植民地化の象徴

  • 事例:アルジェリア(独立戦争)、コンゴ(独立後の混乱)、ベトナム(代理戦争)、インド・パキスタン(分離独立と戦争)

  • 理論:従属理論、UNCTAD(国連貿易開発会議)

  • キーワード:「独立=自立」ではない、「冷戦構造との関係」