2025年11月1日

英語の「過去」表現、どう違う? ― 視点で整理するとスッキリ ―
英語を学んでいると、「過去を言うだけなのに、どうしてこんなに形があるの?」と迷うこと、ありませんか?
まずは一番シンプルな過去形。
We talked all night. → 「私たちは一晩中話した」。
ただ「終わった事実」をそのまま伝えている形です。
そこに She was running to catch the train. を比べてみると雰囲気が変わります。「彼女は電車に乗ろうと走っていた」。
これは過去進行形で、その時点の“途中の場面”を切り取っているんですよね。
そして、ややこしいのが現在完了。名前に「現在」とあるように、実は「過去時制」ではなく「現在時制」の一部なんです。
I’ve just finished dinner. → 「夕食を終えたところ(だから今はもう食べていない)」。
過去の出来事を言っているけれど、「今とつながっている」ことを強調しています。
同じ完了でも I’ve been reading for two hours. → 「2時間ずっと読んでいる」だと継続を表します。
一方、過去完了になると少し違います。
I had locked the door before leaving. → 「出かける前に鍵をかけていた」。
これは「過去の中でさらに前に起きたこと」を示して、時間の前後を整理するのに役立つんです。
最後に、よく混同される would と used to。
- would は「ある状況で繰り返された行動」。
They would sit outside and talk for hours. → 「彼らはよく外で長く話していた」。 - used to は「昔はそうだったけど今は違う」という対比を含みます。
He used to play basketball a lot. → 「彼は昔よくバスケをしていた(今はしていない)」。
こうして見てみると、「過去」といっても単なる昔話ではなく、出来事をどう切り取るか、今と結びつけるか、あるいは昔と比べるか――そうした視点で表現を選んでいるのがわかります。
もちろん最初はごちゃごちゃに感じると思います。でも「自分は何を強調したいのか?」と考えてみるだけで、少しずつ選び方がクリアになっていくはずです。