英語の冠詞でつまずく人へ “a / an” の正しい感覚を手に入れよう!

英語の冠詞でつまずく人へ “a / an” の正しい感覚を手に入れよう!

生徒のみなさん、こんにちは。
さあ、今日のテーマは…タイトルを見て「え、今さら?」って思った人、いるかもしれませんね。

でもね、それ、すごくもったいないんです。

扱うのは「不定冠詞」―― そう、“a” と “an”。
中1の最初の文法。でも、実は英語の本質がギュッと詰まってる超重要項目なんです。

「そんなのわかってるよ」って?これに答えてみて。

He has (a/an/×) good knowledge of history.

さて、あなたならどうします?

「a」って答えた人、多いかもしれません。
でも「え? knowledge って不可算名詞じゃないの?」って混乱した人も、けっこういると思うんですよ。

そう、そこが今回のポイント。
ただの“a / an”じゃない。文脈によって、名詞の性質って変わるんです。

“a / an”は、なぜ必要?

最初に戻りましょう。

「a / an」は、“一つの、でも聞き手にはまだ分からないもの”を紹介するときに使います。

I saw a cat in the garden.
A student came to see me.

これ、どうですか?
cat や student がどの猫・どの生徒か、相手にはまだわかってないですよね。

だから、「a」をつけてるわけです。これ、紹介のマーカーなんです。

ちなみに

  • “a” は子音で始まる単語の前(a cat)
  • “an” は母音で始まる単語の前(an apple)

ルールはシンプルです。間違える人はほとんどいません。

でも全部の名詞に “a” つけていいの?

これはどうかな?

I need a water.

うーん、なんかヘンですよね。
正しくは

I need water.

なぜかというと…“water” は数えられない名詞=不可算名詞(uncountable noun)だからです。

英語の名詞は大きく2つに分かれます:

  • 可算名詞(countable)→ cat, idea, book
  • 不可算名詞(uncountable)→ water, music, courage

“a / an” は、可算名詞の単数形にしか使えないんです。

名詞の見分け方、どうすれば?

ここ、困る人多いです。

「これは数えられるのか、数えられないのか?」
そんなときに役立つのが、辞書

最近の辞書には [C](可算)と [U](不可算)のマークがついてます。

たとえば

  • work
     → [U] 労働:Hard work pays off.
     → [C] 作品:This is an early work by Picasso.

えっ、同じ単語なのに?って思いますよね。
そうなんです。同じ単語でも、意味や文脈によって性質が変わるんです。

文脈で“可算⇄不可算”が変わる!?

そう、これが今日の山場です。

実は、名詞って「使い方」で性質が変わることがある。これは英語らしい感覚です。

I’d like water.(不可算)
Two waters, please.(可算)

→ “水” という物質は数えられないけど、「コップ1杯、2杯」という単位にすれば数えられる。

She has beauty.(U)
She is a beauty.(C)

→ 抽象的な美しさ → 1人の“美しい存在”としての countification。

I like chicken.(U:鶏肉)
I bought a chicken.(C:1羽の鶏)

ここまで来ると、英語は「意味単位で数える」言語だって気づきませんか?

可算か不可算か、迷ったらこの3ステップ

  1. 個別に数えられる? → 可算の可能性
  2. 量としてのまとまり? → 不可算の可能性
  3. 意味が変化してない? → 要チェック!

言葉の「意味単位」で見ることが大事。
「目に見えるかどうか」じゃなくて、「英語でどうとらえているか」。

練習してみよう!

次の文に正しい冠詞を入れてみてください。

  1. I need (a/an/×) advice.
  2. She gave me (a/an/×) useful advice.
  3. (A/An/×) knowledge is power.
  4. He has (a/an/×) good knowledge of history.

 

【答えと理由】

  1. × advice → 「助言」という意味の抽象名詞。不可算。
  2. × useful advice → 形容詞があっても不可算は不可算!
  3. × knowledge → 知識も不可算名詞。
  4. ⭕️ a good knowledge → 「歴史に関する一まとまりの知識」として数えられる。

補足 なんで 4 だけ “a” がつくの?

ここ、ちょっと深掘りしましょう。

“knowledge” そのものは不可算。でも、形容詞 “good” がつくことで、「あるまとまり」として認識されている。つまりこれは countified mass noun として扱われているんですね。

言語学的には、“知識という物質”ではなく、“知識の種類や質”を指している。
だから、数えられる概念として扱ってOKになるわけです。

文法は暗記じゃない、“世界のとらえ方”だ

今日はたかが冠詞、されど冠詞ということで、“a / an” の背後にある英語の思考のクセを見てきました。

英語って、「何をひとつのモノとしてとらえるか」でルールが変わるんです。
そこに気づけるようになると、英語の読み方も、書き方も、ガラッと変わってきます。

だから、ただ「覚える」んじゃなくて、「なぜそうなのか?」を考える習慣をつける。
その積み重ねが、確実にあなたの英語力を底上げしてくれます。