2025年12月4日

生徒: 前に「動名詞(〜ing)」の話を習いましたよね。では、「to + 動詞」っていうのは、どう違うんですか?
先生: お、いいところに気がつきましたね。実は英語では、「〜ing(動名詞)」と「to+動詞(不定詞)」のどっちを使うかで、意味やニュアンスが変わってくることがあるんです。
生徒: へぇ…たとえば?
先生: たとえば、「I enjoy reading.」という文。ここで”reading”って出てきますけど、これは動名詞ですね。意味は「読むことを楽しむ」つまり”読む”という行動そのものを楽しんでる感じです。 でも、「I want to read.」になるとどうですか?「読みたい」つまり、”これから読もうと思っている”という未来の意志を表してますよね。
生徒: あ、たしかに。「してる最中」と「これからしたい」みたいな違いですね。
先生: そうそう。だから感覚としては、動名詞は”すでに始まっている行動”や”習慣・一般的な行動”、不定詞は”これからしたいこと”や”目的・意図“ってイメージを持っておくといいかもしれません。
生徒: それでは、「I like swimming.」と「I like to swim.」も、意味がちょっと違うんですか?
先生: お、いい視点ですね。実は「like」の場合、どちらでもほぼ同じ意味なんです。「泳ぐのが好き」って伝わります。だから、あまり神経質にならなくて大丈夫。
生徒: あ、そうなんだ。どっちでもいいんですね。
先生: うん、「like」「love」「hate」みたいな動詞は両方使えることが多いです。でも、他の動詞はどっちかしか使えないことが多いんですよ。
生徒: え、そうなんですか?どの動詞がどっちを使うか、覚えるの難しくないですか?
先生: 確かに最初は大変そうに思えますよね。でも、ちょっとしたヒントがあるんです。 動名詞(ing)を取る動詞は、”すでに始まっている・終わっている動作”を扱うことが多い。たとえば「finish(終える)」「enjoy(楽しむ)」「avoid(避ける)」「give up(諦める)」。 不定詞(to)を取る動詞は、”これからやること・意図”を扱う。たとえば「want(したい)」「plan(計画する)」「decide(決める)」「hope(望む)」。
生徒: なるほど…時間軸で考えるんですね。
先生: そう。でもね、ここで超重要な注意点があるんです。動詞によっては、動名詞か不定詞かで意味が全然変わっちゃうものがあるんですよ。
生徒: え、どういうことですか?
先生: たとえば「stop」。
- 「I stopped smoking.」→「タバコをやめた」(禁煙した)
- 「I stopped to smoke.」→「タバコを吸うために立ち止まった」
生徒: えっ!全然違う!
先生: でしょう?「stop + 動名詞」は”その行動自体をやめる”、「stop + to不定詞」は”その行動をするために立ち止まる”っていう意味になるんです。
生徒: うわ、これ間違えたらヤバいですね…。
先生: 他にも「remember」と「forget」がそうです。
- 「I remember meeting him.」→「彼に会ったことを覚えている」(過去の記憶)
- 「I remembered to meet him.」→「彼と会う約束を思い出した」(これからすること)
生徒: あー、過去のことか未来のことかで変わるんだ。
先生: そうそう。「try」もね。
- 「I tried opening the door.」→「ドアを開けてみた」(試しにやってみた)
- 「I tried to open the door.」→「ドアを開けようと努力した」(でも開かなかったかも)
生徒: なんか、ちゃんと使い分けないと誤解されそう…。
先生: だからこそ、基本パターンを押さえておくことが大事なんです。慣れてくると自然に使い分けられるようになりますよ。
生徒: それでは、「She is good at painting.」とかの”painting”も、動名詞ですか?
先生: そう、それも動名詞ですね。ポイントは、”前置詞のあとに動詞を使いたいときは、必ずingになる“ってこと。 この文の”at”が前置詞なので、そのあとに来る動詞”paint”は”painting”になります。
生徒: なるほど…。では「to painting」とかはダメなんですね?
先生: そうなんです。でも、ここでひっかけやすいパターンがあるんですよ。 たとえば「look forward to」。これ、「to」がついてるから不定詞だと思っちゃうでしょ?
生徒: あ、そうですね。「look forward to see you」とか?
先生: それが間違い!この「to」は前置詞なので、正しくは「look forward to seeing you」なんです。
生徒: え、ややこしい!
先生: 他にも「be used to doing」(〜に慣れている)、「in addition to doing」(〜に加えて)なんかも、「to」のあとは動名詞です。見た目に騙されないでね。
生徒: うーん、慣れるまで時間かかりそう…。
先生: うん、最初はそう感じる人が多いです。でも大丈夫。英語って、最初は混乱しても、ある日突然「あ、こういうことか!」ってわかる瞬間が来るんですよ。
生徒: 練習してみていいですか?
先生: もちろん!さっそく試してみましょうか。
練習問題
次の日本語を英語に直してみよう。答えは動名詞か不定詞か、どちらが自然か考えながらね。
- 彼女はサッカーをするのが好きです。
- 私は明日その本を読むつもりです。
- 彼は喫煙をやめた。
- 新しい言語を学ぶのは楽しい。
- 彼女に会ったことを覚えています。
- 私はドアを開けようとした。
生徒: …えっと、考えてみます。
- She likes playing soccer.(または She likes to play soccer.)
- I plan to read that book tomorrow.
- He stopped smoking.
- Learning a new language is fun.
- I remember meeting her.
- I tried to open the door.
先生: パーフェクト!すごくよくできてます。
- 1: 動名詞でも不定詞でもOK → 「like」はどちらでも使える
- 2: 不定詞 “to read” → 予定/これから
- 3: 動名詞 “smoking” → 喫煙という行為自体をやめた
- 4: 動名詞 “Learning” → 一般的・抽象的な「学ぶこと」を主語に
- 5: 動名詞 “meeting” → 過去に会ったことの記憶
- 6: 不定詞 “to open” → 開けようと努力した
特に3、5、6は意味が変わるタイプだから、よく注意してね。
生徒: なんとなく、わかってきた気がします!
先生: その調子。たくさん英文に触れて、自然に使い分けられるようになっていこうね。