2025年5月30日

生徒:
前から気になってたんですけど…英語って、動詞に「-ing」をつけると名詞みたいに使えるって本当ですか?それってなんでなんですか?
先生:
それね!えーとね…たしかに動詞って「何かをする」っていう働きのイメージが強いから、「名詞みたいに使える」って言われるとちょっと不思議に思えますよね。
でも、英語では「行動そのものを一つのものとして扱う」っていう考え方があるんですよ。それで、動詞に -ing をつけると、それが名詞っぽく振る舞うんです。
生徒:
ふーん、ちょっとピンとこないかも…。具体的に言うと、どんな感じですか?
先生:
そうですね…。たとえばこんな文があるんです。
“Jogging early in the morning clears my mind.”
朝のジョギングって、頭がすっきりするでしょ?この “jogging” が主語になってるんですよ。動詞のはずなのに、「ジョギングという行為そのもの」が主語なんです。すごく自然に聞こえるけど、よく考えると面白いですよね。
生徒:
お、たしかに…!自然だけど、言われないと気づかないかも。動詞が主語って、変な感じもするけど、しっくりくる…。
先生:
そうそう。実はこういう使い方って、英語ではすごく一般的なんです。もう一つ、短くて印象的な例を出すとね…
“Learning never ends.”
どうですか?「学ぶということ」っていう抽象的な行為が、はっきりと主語になっています。
生徒:
確かに…。日本語だったら「学び」って名詞にするけど、英語だと-ingでそのままいけるんですね。
先生:
まさにそのとおり!英語って、語順がわりと決まってる分、単語の形を変えることで役割を変えるってことが多いんですよ。-ing をつけるだけで、動詞が名詞の役割を持てるようになるんです。
生徒:
なるほどー。ちなみに、どんな動詞でも -ing をつければ名詞になるんですか?
先生:
そこはちょっと注意が必要ですね。たとえば “want” みたいな動詞は、普通は to + 動詞の原形 を続けます。
“I want to travel this summer.” これはOK。
“I want traveling this summer.” これはNGです。
この違い、最初はややこしいかもしれませんが、だんだん慣れてくるので大丈夫です。
生徒:
私それ間違えてた気がします…。覚えるしかないですよね、こういうのって。
先生:
そうですね、ある程度は慣れなんです。でも、「どんな種類の行動を名詞っぽく語りたいのか」って意識してみると、少し感覚がつかめると思いますよ。
生徒:
もっと生活っぽい例とか、ありますか?
先生:
うん、もちろんです。えーと、たとえば…
“After finishing dinner, I enjoy listening to jazz.”
夕食を終えてからジャズを聴く、という流れの中で “finishing” も “listening” も動名詞です。行為をまるごと「こと」として語っていますね。すごく自然で、ネイティブもよく使う表現です。
生徒:
英語って、行動をそのまま「名詞っぽく包む」って感じなんですね…。
先生:
そうそう、それ、いい表現ですね!まさにそうなんです。行動を“ひとまとまりの意味あるもの”として捉える。英語の発想の中に、そういう感覚があるんです。
ちなみにこれ、ラテン語とか古英語にもルーツがあって、もっと複雑だったんですけど…まあ、それはまた別の機会に(笑)
生徒:
えっ、ちょっと気になりますけど(笑)
先生:
気になってくれて嬉しいです。でも今日は、まず英語での「動名詞」の感覚をしっかり押さえましょう。文法ってルールの集まりに見えがちだけど、実はその言語の“ものの見方”が詰まってるんですよ。
生徒:
なんか、今日の話で文法がちょっと好きになってきたかもしれません。
先生:
それは最高の言葉ですね。大事なのは、形じゃなくて“なぜそうなるのか”を考えることなんです。