2024年12月29日
生徒:
弁証法って何ですか?どういう意味なんでしょうか?
先生:
弁証法というのは、もともと古代ギリシアの「ディアレクティケー」という言葉に由来していて、対話や議論を通じて物事を深く考え、真理を探る手法のことだよ。たとえば、議論をしているときに、自分の考えだけじゃなくて、相手の意見にも耳を傾けながら新しい答えを見つける、そんなプロセスを指しているんだ。
生徒:
対話で考えを深めるって、どうやって進めればいいんですか?
先生:
弁証法には三つの段階があると言われているよ。最初の段階は「正(テーゼ)」だ。これは自分の意見をしっかり述べることから始まるんだ。たとえば、「学校の昼休みをもっと長くすべきだ」って考えるとするよね。まず、その理由を整理して、しっかり主張するんだ。
生徒:
それで終わりじゃないですよね?
先生:
もちろん違うよ。次は「反(アンチテーゼ)」の段階だ。この段階では、自分の意見とは違う意見や反論が出てくる。たとえば、「いや、昼休みを長くすると授業の時間が減るから成績が落ちるかもしれない」という意見が出てくるとするよね。ここで意見が対立するんだけど、これはむしろ良いことなんだ。意見がぶつかることで、自分の考えにどんな課題があるのかに気づけるからね。
生徒:
でも、意見がぶつかると、どちらかが折れないといけないんじゃないですか?
先生:
それが弁証法の面白いところで、必ずしもどちらかが折れる必要はないんだ。第三の段階が「合(ジンテーゼ)」、つまり意見の統合だよ。ここでは、両方の意見を取り入れて、より良い結論を導き出すんだ。たとえば、昼休みを長くするのは難しいけれど、週に一度だけ少し長くする「特別昼休み」を設けるとか。対立した意見を超えて、全員が納得できる新しい答えを生み出すことが目指されるんだ。
生徒:
意見の統合がゴールなんですね。
先生:
その通り。弁証法の目的は、議論で勝ったり負けたりすることじゃなくて、対話を通じて新しい真理に近づくことなんだ。議論をするときに、「相手の意見を取り入れると、もっと良い考えが見つかるかも」と思えるようになると、対話がぐっと楽しくなるよ。
生徒:
なんだか、ただ意見を言い合うだけじゃなくて、考えを深める方法なんですね。
先生:
まさにその通りだよ。この考え方を知っていると、議論が苦手でも前向きになれるはずだ。相手が違う意見を言ってきても、それを「自分の意見を攻撃している」と思わないで、「新しいアイデアを一緒に見つけるチャンス」と捉えてみてほしい。それが弁証法の本質なんだよ。