2025年7月29日

英文の骨組みをマスターする ― 動詞・文型・目的語・補語の完全理解 ―
こんにちは。
今日は、英語の文を「読めるようになる」「書けるようになる」ための超・基本構造=文型について一緒に学んでいきます。
まず、みなさんに質問です。
「英文を読むとき、どこから見てますか?」
「単語の意味」だけで追っていませんか?
実はそれでは足りません。文の「骨組み」が見えないと、意味のつながりがつかめないんです。
英語の文は「動詞」から始まる
では、最初にこんな英文を見てみましょう。
Run!
Come!
これは何かわかりますか? そう、「命令文」です。
ここには主語も目的語もありません。でも、立派な英文です。
なぜでしょう?
それは、「動詞(verb)」があるからです。
英語では、動詞が文の“核”なんです。
動詞がなければ文にはなりません。逆に、動詞さえあれば、文になりうるんです。
英語の文は「5つの型」でできている
英語の文には、大きく分けて5つの基本パターン(=文型)があります。これらの型を知っていると、英文の構造が一気に見えてきます。
まず一番シンプルなのが、SV(主語+動詞)の形。
たとえば、A bird flies.(一羽の鳥が飛ぶ)という文では、「bird」が主語、「flies」が動詞です。つまり、「誰が、どうする?」という基本のかたちです。
次に、SVO(主語+動詞+目的語)という型があります。
I like apples.(私はリンゴが好き)のように、「誰が、何をするか」を表す文です。ここで「apples」が「like」の対象、つまり目的語になります。
続いて、SVC(主語+動詞+補語)。
これは主語を説明する型です。He is a teacher.(彼は先生です)という文では、「He=a teacher」と考えることができます。このように、「誰が、どんな人か」を示すのがSVC型です。
次に出てくるのが、SVOO(主語+動詞+目的語+目的語)。
この型では、目的語が2つ出てきます。たとえば、She gave me a book.(彼女は私に本をくれた)という文では、「me」が“人への目的語”、“a book”が“物の目的語”になっています。つまり、「誰が、誰に、何を?」という情報を含んだ形です。
最後に、やや複雑なのがSVOC(主語+動詞+目的語+補語)。
これは、「目的語をどうするか」を説明する文型で、They made him captain.(彼らは彼をキャプテンにした)という文が代表例です。「him=captain」という関係に注目してください。
動詞には「目的語がいるもの」と「いらないもの」がある
ここで、もうひとつ重要なポイントがあります。
次の英文を見てください。
She sleeps.
これは自然な英文ですね。「彼女は眠る」という意味で、これだけで文が成立します。
では、次の文はどうでしょう?
She likes.
……ちょっと不自然ですよね?
「彼女は好き。」――何を!?って思います。
これは、動詞の性質の違いによるものなんです。
英語の動詞には、大きく分けて2つのタイプがあります。
自動詞(目的語が不要)
→「どうする?」だけで意味が通じる動詞です。
例:run, sleep, arrive など。
She sleeps.
He runs every morning.
これらは、後ろに何も続けなくても、意味が通じるんです。
他動詞(目的語が必要)
→「何を?誰を?」という“相手”がないと文として成立しない動詞です。
例:like, want, need, buy など。
I like sushi.
He wants a new phone.
ここで目的語を省くと、こうなります。
She likes.
He wants.
……これでは、文の意味が伝わりませんよね?
「何を好きなの?」「何が欲しいの?」と、情報が足りなくて文が不完全になるんです。
このように、自動詞と他動詞の違いを知らないと、
たとえば He wants. のように「目的語なしで他動詞を使ってしまう」誤りが生まれてしまいます。
動詞を使うときは、その動詞が「目的語を必要とするかどうか」を常に意識することが大切です!
「目的語」と「補語」のちがい
さあ、ここが最大の山場です!
目的語とは?
→「動詞が何を・誰をしたか」の相手。
例:I eat an apple. → 🍎が目的語。
補語とは?
→「その人がどんな人か、何であるか」を説明する言葉。
例1:He is a teacher. → 「teacher」が「He」の説明。
例2:They made him captain. → 「captain」が「him」の説明。
ポイント:目的語=対象/補語=説明
これをセットで覚えておきましょう!
副詞は文型に入らない
さて、ここで少し脱線ですが大切な話。
次の文を見てください。
She sleeps well.
文型は何でしょう?
そう、SVです。「well」は副詞。つまり、文の骨組みには含まれません。
副詞は「いつ?」「どこで?」「どんなふうに?」を加える「おまけ(修飾語)」です。
肉で言えば「タレ」や「薬味」。なくても成立します。
演習問題で確認しよう
問題1:文型を判定せよ(各1点)
She runs fast.
They elected him leader.
He gave me a chance.
My father is a doctor.
問題2:次のうち、補語はどれ?(2つ選べ)
a. music
b. tall
c. the cake
d. captain
問題3:語順を並び替えよう(文型SVO)
(to / a / gave / book / me / She)
(apples / like / I)
解答と解説
問題1 解答・解説
SV
→「She(主語)+ runs(動詞)」+副詞「fast」は修飾語なので文型には含まれない。SVOC
→「They(主語)+ elected(動詞)+ him(目的語)+ leader(補語)」。「him=leader」の関係に注目。SVOO
→「He(主語)+ gave(動詞)+ me(人の目的語)+ a chance(物の目的語)」。SVC
→「My father(主語)+ is(動詞)+ a doctor(補語)」。父=医者、という関係。
問題2 解答:b. tall, d. captain
tall は「He is tall.」などで主語を説明する補語。
captain は「They made him captain.」のように目的語を説明する補語。
※ a. music と c. the cake は目的語になる語。
問題3 解答
She gave me a book.(SVOO)
I like apples.(SVO)
このように、文型がわかれば英語の文が“骨から見える”ようになります。
ぜひ何度も読み返して、使いこなせるようになってくださいね!