2025年9月15日

動作主を見抜ける?不定詞の“する・される”を見分けるコツ
英語を勉強していると、”to do” と “to be done” の違いに迷ったこと、ありませんか?
なんとなくわかるような気もするけれど、いざ使おうとすると「あれ、どっちだっけ?」と立ち止まる。そんな経験、一度はあるはずです。
英語の不定詞には、「能動不定詞(to + 動詞の原形)」と「受動不定詞(to be + 過去分詞)」という2つの基本的な形があります。
どちらを使うべきかは、実はその動作を誰がするのか=動作主に注目することで見えてくるんです。
とはいえ、すべての不定詞が単純な構文に収まっているわけではありません。
中には、文の構造や意味をしっかりと読み解かないと、動作主を見失ってしまうものもあります。
この記事では、「する?される?」の判断を迷わずできるよう、動作主を軸にした見分け方を、わかりやすく整理してご紹介します。
英文法の仕組みがクリアになり、読解にも英作文にも役立つ内容です。
不定詞の使い方、ちゃんと見えてますか?動作主を軸に基本を整理!
英語の不定詞にはいくつかの使い方がありますが、見落とされがちなのが「その動作を誰が行っているのか」という視点です。
ちょっと立ち止まってみてください。「to do」と「to be done」の違い、正確に説明できますか?
不定詞の用法は、大きく3つに分けられます。それぞれの用法で、動作主が誰かが微妙に変わってくるので要注意です。
まず、名詞的用法。これは「主語」や「目的語」として働くタイプです。たとえば
I want to leave early.
(私は早く帰りたい。)
この場合、「to leave」の行動をするのは主語の “I”。つまり、自分でその行動を起こすわけですね。ここは比較的わかりやすいパターンです。
次に、副詞的用法。これは動詞を修飾して、目的や理由を伝えます。例文を見てみましょう。
She studied hard to pass the test.
(彼女はテストに合格するために一生懸命勉強した。)
ここでも「to pass the test」の動作主は主語の “She”。つまり、合格するのは彼女自身ということです。名詞的用法と同じく、主語が動作主になるのが基本です。
そして最後に、ちょっと複雑なのが形容詞的用法です。不定詞が名詞を後ろから説明するタイプで、動作主が文法的に明確でないケースが多いです。
たとえば
He brought a laptop to use during the trip.
(彼は旅行中に使うためのノートパソコンを持ってきた。)
「to use」は “laptop” を修飾していますが、実際に「使う」のは主語の “He” だと、文脈から読み取る必要があります。
また、こんな例もあります。
There is work to do.
(やるべき仕事がある。)
この場合、「to do」が指す「する人」は明示されていません。でも、通常は聞き手や話し手など、一般的な誰かが行うと解釈されます。
このように、不定詞の使い方には構文と意味のバランスが必要です。
“to” の先にある動詞が「誰の動作か」を意識することで、自然な英語表現がグッと身につきますよ。
名詞的用法って?実はシンプル、でも侮れない基本ルール
不定詞が「名詞のような役割」を果たすとき、それを「名詞的用法」と呼びます。文の主語や目的語になる形ですね。
そしてこの場合、不定詞の表す動作を行うのは、基本的に文の主語です。
ちょっと例を見てみましょう。
I hope to join the debate club.
(私はディベート部に入ることを望んでいる。)
この文では、「to join」が示す動作=「入部する」のは主語の “I” です。だからここでは、能動不定詞「to join」が自然に使われています。
こういった名詞的用法では、「主語が動作主になる」という関係がはっきりしているため、動作主の判断がしやすいのが特徴です。英作文でも判断に迷いにくいので、まずはここから慣れていくのがおすすめです。
副詞的用法って?目的を表すときの「する人」は誰?
不定詞が副詞のように使われるとき、それは文中で目的・理由・結果などを補う働きをします。これを「副詞的用法」と呼びます。ここでも基本になるのは、「その動作をするのは誰か?」という視点です。
答えはシンプル。たいていの場合、文の主語がその動作をすると考えればOKです。
例文を見てみましょう。
He studied hard to pass the test.
(彼はテストに合格するために一生懸命勉強した。)
この文では、「to pass the test」は「studied hard」の目的を示しています。つまり、「なぜ勉強したのか?」の答えがこの不定詞ですね。そして、「合格する」のも、当然主語である “He”。だからここでは、能動不定詞「to pass」が自然に使われているわけです。
副詞的用法では、このように不定詞の動作主が文の主語と一致するケースが非常に多く、判断に迷うことは少なめです。ただし、「何のために」「どうして?」という目的・理由の視点を持って読むことで、不定詞の意味がよりスムーズに理解できるようになります。
形容詞的用法って難しい?実は「誰がやるのか」がカギ!
不定詞が名詞のあとにくっついて、その名詞の性質や目的を説明するとき、これは「形容詞的用法」と呼ばれます。
たとえば、
a book to read(読むための本)
work to do(やるべき仕事)
こういった表現、よく見かけますよね。
ただし――ここがポイントなんですが、誰がその「読む」や「やる」をするのかは、文の中でハッキリとは書かれていないことが多いんです。つまり、動作主があいまいになりがち。これは、他の用法(名詞的・副詞的)にはあまりない特徴です。
たとえば、次の文を見てみましょう。
He brought a laptop to use during the trip.
(彼は旅行中に使うためのノートパソコンを持ってきた。)
この「to use」は “laptop” を修飾していて、「使うためのノートパソコン」という意味になります。でも、「使う」のは誰でしょう?
この文の場合、文の主語 “He” が使うんだろうと文脈からわかりますが、明確に書かれているわけではないですよね。
もう一つ例を挙げると、
There is work to do.
(やるべき仕事がある。)
この場合、「to do」が「work」を修飾しているわけですが、「誰がやるか」は書かれていません。普通は「あなた」や「私たち」など、一般的な人を想定して解釈されます。
つまり、形容詞的用法では、「to + 動詞」の動作主を文法的に特定できないケースが多いんです。だからこそ、必要に応じてこんなふうに補足するのが効果的It’s necessary for students to submit the form.
(学生がその用紙を提出する必要がある。)
このように、「for + 名詞」を使うことで、「誰がするのか」を明確にできます。
「for + 名詞」で動作主をはっきりさせる方法
英語の不定詞を使っていると、「誰がその動作をするのか」がハッキリしないことってありますよね。
特に、不定詞の主語と文の主語が一致しないとき、読み手が混乱しやすくなります。
そんなときに役立つのが、「for + 名詞」の構文です。
これは、不定詞が表す動作を「誰が行うのか」を、文法的に明確に示してくれる便利な表現です。
たとえば、こんな文を見てみましょう。
It is important for new employees to understand the company policy.
(新入社員が会社の方針を理解することは重要だ。)
この文では、「to understand」が表す動作をするのは “new employees” です。
でも、文の主語は “It” ですよね。つまり、”It is important” だけでは誰が理解するのかはわかりません。
そこで「for new employees」が加わることで、「理解するのは誰か」が明確になるんです。
この「for + 名詞」は、特に「It is ~ to …」のような形式主語構文でよく使われます。
不定詞の動作主を補足してくれることで、意味がスッキリ伝わるようになります。
英作文でも読解でも、「誰がその行為をするのか」を意識することはとても大切です。
文の主語だけに頼らず、「for + 名詞」もうまく使えるようになると、表現の幅がグッと広がりますよ。
不定詞を読み解くカギは「構文+文脈」
不定詞が「to do」なのか「to be done」なのか。
これを判断するには、「主語が動作をするのか、されるのか?」という単純な基準だけでは不十分なこともあります。
もちろん、それも大事な視点ですが、実際にはもっと深く――文の構造(構文)と文の意味(文脈)の両方をしっかり読み取る力が必要になります。
特に注意したいのが、形容詞的用法のように、動作主がはっきり書かれていないパターン。こうした文では、機械的なルールだけに頼ってしまうと、かえって誤解につながってしまうこともあります。
大切なのは、その不定詞がどんな文の中で、どんな意味で使われているかを読み取ること。
つまり、「文法」と「読解力」をバランスよく使うことが、不定詞を正しく使いこなすためのポイントなんです。
形式に縛られすぎず、文全体をしっかり見渡す目を持つこと。
それが、英語力を“使えるレベル”に引き上げてくれる一歩になります。