2025年8月24日

〜文法とリアル英語のはざまで〜
英語を教えていると、よくこんな質問をされます。
「先生、“If I was you”ってダメなんですか? ネイティブも言ってるっぽいんですけど…?」
はい、良い質問です。
そして……実は、それ、間違いじゃないんです。(ただし条件つき)
「If I were you」が正解…のはず?
学校の授業や教科書で出てくるのは、たいていこの形。
If I were you, I would talk to her.
(もし私があなただったら、彼女に話しかけるよ)
この 「were」、実は文法的には主語が何であっても使うのが正解とされています。
これは「規範文法」、つまり「正式な英語ではこうするべき」というルールに基づいた表現です。
でも、リアルな英語では…
ところがどっこい。
映画・ドラマ・SNS・YouTube……実際のネイティブたちはけっこう普通にこう言ってます。
If I was you…
え?ルール違反じゃないの?と思うかもしれませんが、実は英語にも“揺れ”があります。
口語では「was」を使う人も多いんです。
え、どっちを使えばいいの?
これはとてもシンプル。
- 授業・英作文・試験 →「If I were you」が無難
- カジュアルな会話・SNS →「If I was you」もOK
なぜかというと、試験や採点では「規範文法」が前提だからです。
つまり、正解を求められる場面では“正しい形”を使ったほうが安全なんですね。
先生からのちょっとした工夫
生徒にこの話をするとき、僕はよくこんな風に言います。
「ネイティブも“was”って言うよ。でも、試験では“were”にしとこう。先生も試験なら“were”って書く(笑)」
それから、実際に映画やインタビュー動画で“was”を使ってるシーンを見せたりします。
すると、生徒たちは「あ、本当に使うんだ!」って少し安心するんですよね。
英語は“正しさ”だけじゃない
英語って、完璧なルールだけじゃない言語です。
正しさを知った上で、どう使い分けるかを選べることが大事なんですよね。
仮定法過去を通して、
ただの文法じゃなく、「英語のリアル」を少しずつ感じてくれると、
それだけで語学力がぐっと伸びていきます。