2025年10月20日

英語の「時制」って時間だけ? ― 視点でわかる使い分け ―
英語を学んでいると、時制の使い分けに迷う瞬間ってありませんか?
「え、これって現在形?それとも進行形?」と手が止まる、あの感じ。私自身、何度も経験しました。
たとえば現在形。
“She likes coffee.” は「彼女はコーヒーが好き」=ふだんの状態を伝える表現ですね。
一方で “Water boils at 100°C.” のような文では、「水は100度で沸騰する」=科学的・一般的な事実。
さらに “The train leaves at 7.” は「7時に出発する」という未来の予定を表している。
こうやって並べてみると、「同じ現在形でも、こんなに幅広いのか」と驚かされます。
そして “She is drinking coffee.” のような現在進行形が加わると、「今まさに起きていること」がぐっと近くに感じられます。
これらの違いは、単に「時間の区切り」ではなく、話し手がその出来事をどう見ているか=視点によって生まれているんです。
これは、私が英語学習で「なるほど」と腑に落ちた、大きなポイントのひとつでした。
過去形も、一筋縄ではいきません。
“I moved to Tokyo last year.” はごく普通の過去の出来事を述べる表現ですが、
“I was wondering if you could help.” のような文では、「今」頼みごとをしているのに、あえて過去形を使っています。これ、なんだか不思議ですよね。
でも実はこれ、やわらかく・丁寧に伝えるための工夫なんです。
言葉って、単に情報を伝えるだけじゃなくて、相手との距離感や気持ちも表しますよね。
未来もまた、ひと工夫が必要です。
英語には「未来形」という専用の文法はなく、未来をどう表すかは文脈によって変わります。
“I’ll open the window.” → その場で決めた未来
“I’m going to visit my friend.” → 計画していた未来
“The bus leaves at 8.” → スケジュールに基づく未来
こうした違いも、すべて話し手の「今、この出来事をどう見ているか」という視点の表れなんです。
「即興で決めたこと」なのか、「もう準備していたこと」なのか、それとも「決まっている事実」なのか。
英語の時制は、ただ「いつ起きたか」を示すだけではありません。
出来事にどう向き合うか、どう語るか――その視点の切り取り方が、文の形に反映されるんです。
事実を淡々と述べるのか。
今起きていることを生き生きと伝えるのか。
それとも、相手への配慮をこめて言葉を選ぶのか。
そういった意識を少し持つだけで、時制の使い分けがぐっと自然になります。
完璧に整理しなくても大丈夫です。
「この違いは、話し手の見方の違いなんだな」と気づけた時点で、もう一歩前進です。
英語は使いながら、少しずつ身についていくもの。焦らず、視点の切り替えを楽しんでくださいね。