2025年5月12日

「現在完了形」って何なの?── 過去と今をつなぐ魔法の表現
「I have eaten.」って、なんだかピンと来ない文だなと思ったことはありませんか?
「食べたなら ‘I ate’ でよくない?」と。実は、英語では「ただ食べたことがある」だけでなく、「今に関係があるかどうか」が大事なんです。
それを表すのが、現在完了形(have+過去分詞)という形です。
「今に関係がある」ってどういうこと?
英語の現在完了は、「過去のある時点」よりも、「その経験や出来事が今にどう影響しているか」に注目する表現です。
たとえば
I’ve lost my keys.
→「鍵をなくしちゃった(今も見つかってない)」
I lost my keys yesterday.
→「昨日鍵をなくした(今どうかは言ってない)」
同じ「鍵をなくした」でも、言いたいことがちょっと違いますよね。現在完了は、過去を言っているようで、実は「現在」を話題の中心にしているんです。
よくある3つの使い方
現在完了には主に3つのパターンがあります。それぞれ、ちょっとした感覚の違いがあります。
① 経験:~したことがある
- I’ve been to Kyoto three times.(京都に3回行ったことがある)
→「行った」という事実より、「行ったことがある」経験に焦点がある
② 継続:~し続けている
- I’ve lived here for five years.(ここに5年住んでいる)
→今も住んでいることを暗に含んでいる
③ 完了・結果:~したところだ/~してしまった
- I’ve just finished my homework.(ちょうど宿題を終えたところ)
- Oh no, I’ve broken the glass!(あっ、コップ割っちゃった!)
それぞれニュアンスが少しずつ違うので、練習では状況に応じてどう使い分けるかを意識するとよいです。
「現在完了が苦手」と思ったら
多くの学習者が、「日本語にはない概念だから難しい」と感じるようですが、慣れるコツは「今とのつながりを探す」ことです。
たとえば、「食べた」→「だからもうお腹いっぱい」とか、「行ったことがある」→「だから詳しいよ」みたいに、今に残っている感覚を見つけてみると、文の意味がぐっとクリアになります。
ちなみに、just・already・yet・ever・never なんかの「おなじみ副詞」は、現在完了と相性がよく、セットで使うことが多いです。
過去だけじゃなく「今の自分」に注目する形
現在完了は、「自分の今の状態は、実は過去の何かの影響を受けている」という、ちょっと面白い視点の表現です。ただの文法ルールとして覚えるより、「話している人は今どう感じているんだろう?」と考えてみると、グッと理解が深まります。
「なんとなく言いたいこと、わかる」──最初はその感覚だけでも十分なスタートです。