がんばりを見つめ直す物語:カタツムリの長い旅

がんばりを見つめ直す物語:カタツムリの長い旅

文章

「熱心さと、親切ということも、考えに入れなくてはならんからね。尊敬すべき、二、三の人たちも、そう言っていた。もちろん、ぼくも同じ考えだった。たしかに、カタツムリくんは、戸のしきいをこえるのに、半年もかかっている。だが、それでも、カタツムリくんとしては、せいいっぱい、いそいだわけで、そのために、ももの骨まで折ってしまった。カタツムリくんは、ただただ、走ることだけを考えて生きてきた。しかも、自分の家をせおって、走ったんだよ。――じつに、感心なことじゃないか。だからこそカタツムリくんは、二等賞をもらったんだよ」

解説

この話の心温まるところは、速く走ることだけじゃなくて、がんばりや優しさも大事だって教えてくれるところです。カタツムリさんがドアの下をくぐるのに半年かかったって話があるけど、これはカタツムリさんが遅いからじゃないんです。すごく一生懸命がんばりました。カタツムリさんはおうち(貝殻)を背中にのせて、一生懸命走りました。これは、カタツムリさんがどれだけがんばったかを見せてくれているんです。この話から、何かを目指してがんばることがすごく大事だって学べるし、みんなが公平に評価されるべきだってことも教えてくれます。成功っていうのは、結果だけで決まるんじゃなくて、どれだけがんばったかも大切なんだってことを伝えてくれます。