九九は「暗記」ではなく「パズル」だ。九九を忘れたフリをして、足し算だけで答えを導く3つの思考法

九九は「暗記」ではなく「パズル」だ。九九を忘れたフリをして、足し算だけで答えを導く3つの思考法


YBA 算数コラム

九九を忘れたフリをして、
足し算だけで乗り切る思考法

「九九はショートカットに過ぎない。道が通行止めなら、歩いて行けばいい」

⚠️ この記事は、九九を覚えなくていいという主張ではありません。「ど忘れしたとき・詰まったとき」に自力で答えを復元できる思考法として紹介します。

そしてこの思考法は「九九の穴埋め」にとどまりません。数を分解して再構成する感覚は、将来のプログラミング学習や数の仕組みの深い理解に直結する、本質的な力です。

九九をど忘れしたとき、パニックになっていませんか?

実は、九九が出てこなくても足し算だけで正確に答えを出す方法があります。しかもその方法は、闇雲に「1から足していく」のではありません。

この記事では、「暗記」を「パズル」に置き換えるという発想で、計算を組み立てていく3つの戦略を紹介します。

CONCEPT

「忘れた」のではなく「その場で組み立てている」という感覚を持つだけで、
計算ミスは劇的に減ります。

1

「5」を中継地点にする ―― ベースキャンプ戦略

1から順番に足すのは非効率です。まず「5倍(半分)」か「10倍(ゼロをつけるだけ)」を起点に置きます。5の段は時計の針と同じで、誰でも瞬時に浮かびます。これをベースキャンプにするのです。

×6、×7 のとき5倍した数に、あと1〜2回分を「足す」
×8、×9 のとき10倍した数から、あと1〜2回分を「引く」

EXAMPLE

7 × 6 の場合

「7 × 5 = 35」まで秒で出せる。あと1回分「7」を足せばいいだけ。

35 + 7 = 42

EXAMPLE

9 × 6 の場合

「10 × 6 = 60」という大きな箱を置いて、余分な「1回分(6)」を引くだけ。

60 − 6 = 54

2

「2倍」を重ねる ―― ダブル・ダブル戦略

「×4」や「×8」は、足し算というより「同じ数を重ねる」感覚で解きます。偶数の段はすべて「2倍の繰り返し」で処理できるのです。一度出した答えをもう一度足すだけなので、脳への負荷が最小限で済みます。

×4 のとき2倍したものを、もう一度2倍する
×8 のときさらにそれを2倍する(×4 の答えをもう一度足すだけ)

EXAMPLE

18 × 4 の場合

18のダブルは36 → 36のダブルは72

18 → 36 → 72

EXAMPLE(難所)

7 × 8 の場合

7を2倍して14 → 14を2倍して28 → 28を2倍して56

7 → 14 → 28 → 56

3

数字を「自分が得意な形」に分解する ―― 分配法則戦略

数字の言いなりにならず、自分が足しやすいように「ちぎって」から計算します。九九を「面積」や「ブロック」で捉える感覚です。「5が含まれるように分けると、計算が劇的に楽になる」のがポイントです。

EXAMPLE

7 × 8(難所)

① 「7は5と2に分けられる」と考える
② 5 × 8 = 40 (5の段は簡単)
③ 2 × 8 = 16 (2の段も簡単)
④ 40 + 16 = 56

EXAMPLE

9 × 7

① 「9は10に近い」→ 10 × 7 = 70 という大きな箱を作る
② 余分な「1 × 7 = 7」を削り取る
③ 70 − 7 = 63

Summary

3つの戦略 早見表

戦略①「5か10」をベースキャンプに、近い方から足すか引く
戦略②×4 や ×8 は「2倍を重ねる」だけで到達できる
戦略③数字を「5と何か」に分解して、得意な形に変えてから計算

「いきなり答え(目的地)を目指さず、知っている場所(5倍や10倍)までワープしてから、トコトコ歩いて調整する」のが最速の解き方です。

YBA教育研究会

YBA教育研究会では、各教科の学習を、単なる暗記や作業ではなく、「なぜそうなるのか」を考えるところから指導しています。

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