小論文の書き方で差がつく!「譲歩批判型」から自由な構成力へステップアップ

小論文の書き方で差がつく!「譲歩批判型」から自由な構成力へステップアップ

型を学び、型を超える――小論文で思考力を鍛える

小論文における「型」とは何か

「型に頼るのは思考停止じゃないの?」
そう思う人もいるかもしれません。あるいは、「型なんて使ったら、みんな同じような文章になってしまうんじゃないか」と不安に感じている人もいるでしょう。

たしかに、決まりきったパターンに機械的に当てはめるだけでは、個性のない文章になりがちです。しかし、限られた試験時間の中で、自分の意見を論理的に展開し、読み手を納得させるには、“型”は頼れる存在です。

小論文は基本的に「自分の意見+その根拠」で構成されます。意見と根拠の組み合わせには効果的なパターンが存在し、それらの「型」は、論理的思考を整理する強力な道具として活用できます。

実際、慶應SFCのような小論文入試の最難関や、東大・京大の国語論述問題においても、論理的な構成力は大きな評価対象となっています。

型はあくまで“思考の足場”です。建築現場の足場が完成すれば取り外されるように、型も最終的には自然と内面化され、自分自身の思考の中に溶け込んでいくことが理想です。

「譲歩批判型」の可能性と注意点

受験生に広く紹介されている型の一つに「譲歩批判型」があります。構成は以下の通りです。

  1. 問題提起・自分の意見

  2. 反論を示す(譲歩)

  3. 再反論する(批判)

この型は、課題文に反対する立場をとりつつも、その一部には理解を示すような場合に有効です。しかし、「反論への再反論」に偏ると、消極的な主張にとどまり、自分の意見の“積極的な根拠”が薄くなる恐れがあります。

そこでおすすめなのが、以下のような構成です。

  1. 自分の意見を明確に述べる

  2. その意見を支える積極的根拠を提示する

  3. 予想される反論を紹介(譲歩)

  4. 反論に再反論する(批判)

  5. 結論として主張を補強する

この構成にすることで、議論の軸を「反論処理」ではなく「自分の立場の正当性」に据えられ、より説得力のある文章になります。

志望校と自分に合った型を選ぶ

どの型を使うかは、志望校の出題傾向や自分自身の思考スタイルに合わせるのが効果的です。

● 出題傾向に応じた型の選択

  • 課題文批判型(例:慶應法)→ 譲歩批判型、対比型

  • 問題解決型(例:慶應SFC)→ 現状 → 原因 → 解決策

  • 自由論述型(例:早稲田政経)→ 主張 → 根拠 → 例証 → 結論

● 思考タイプに応じた型の選択

  • 分析型の人 → 因果関係を重視した型

  • 発想型の人 → 提案中心の構成

  • バランス型の人 → 多角的視点を取り入れた構成

過去問演習を通じて、自分の得意な型を見つけていくことが、合格への近道です。

型の習得は段階を踏んで進める

【習得期】型に従って書く

まずは、型の構造に従って文章を書く練習をします。身近なテーマ(例:「大学生はアルバイトをすべきか」)で、型の流れに慣れることを目指します。

【応用期】型を柔軟に使いこなす

型の論理構造を理解した上で、順序を入れ替えたり、根拠の配分を調整したりと、テーマに応じた応用ができるようになります。

【内面化期】型を意識せずに使える

型が思考の習慣として身につき、自然と論理的な構成で文章が書けるようになります。型に頼るのではなく、型を“自分の道具”として自由に使える状態です。

型を通じて育まれる思考力

当塾で多くの受験生を指導してきた経験から言えるのは、「型の習得」とは、単に文章構成を覚えることではなく、「論理的に考える力」を鍛えるプロセスだということです。

なぜこの順序で書くのか、どの根拠がもっとも説得力があるのか、反論にどう応えるのか――こうした問いを繰り返す中で、思考力は確実に磨かれていきます。

この力は、大学入学後のレポートやゼミ発表、さらには社会に出てからの企画書・プレゼンでも大いに役立つでしょう。

型は出発点、自由な思考が目的地

型は、ゴールではありません。学びのスタートラインにすぎません。

使いこなせるようになったら、「なぜこの型が説得力を持つのか」を考えてみてください。そこから、あなた独自の論理展開ができるようになっていきます。

小論文の学習とは、単なるテクニックの習得ではなく、「自分の意見を、論理的に、相手に伝える」ための力を育てる過程なのです。