仮定法が教えてくれたこと──“もしも”が未来を変えるとき

仮定法が教えてくれたこと──“もしも”が未来を変えるとき

【仮定法=現実逃避?】実は“未来を変える思考ツール”かもしれません

「仮定法」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?

「どうせ空想の話でしょ」
「現実には起きないことだし、自分には関係ないかな…」

そんなふうに感じる生徒も少なくありません。
たしかに教科書では、“非現実”という言葉が強調されがちですし、どこか夢見がちに聞こえるかもしれません。

でも私は、実はその逆なんじゃないかと思うんです。

現実を超えるために、仮定法がある

仮定法は、現実から目をそらすための文法ではありません。
むしろ、現実を見つめ、それを乗り越えようとするときにこそ必要になる文法です。

たとえば…

✔️ 「もし私があなただったら、こうするよ」

If I were you, I would talk to her.
→ 相手の立場に立って、思いやりを込めたアドバイスをするとき。

✔️ 「もしチャンスがあれば、こんなことしてみたい」

If I had the chance, I would start my own business.
→ 自分の未来や可能性を前向きに思い描くとき。

✔️ 「世界がもっと平和だったら、あんな戦争は起きなかったかも」

If the world had been more peaceful, that war might not have happened.
→ 歴史を振り返り、よりよい社会を願う批判的思考。

どうでしょう?
これらはすべて、想像力・共感・意志が込められた、人間的な言葉です。
そしてそれを可能にしているのが、「仮定法」という文法なのです。

「たられば」を考える力こそ、人間らしさ

英語の文法は、たしかに「正解」が求められる分野かもしれません。
でも仮定法に関しては、単なる正解・不正解では測れない、思考の広がりがあります。

仮定法は、「現実じゃない」ことを言うための表現じゃない。
むしろ、「現実をどう捉え、どう変えていきたいか」を表現するための道具なんです。

「もしも、こうだったら」
英語でそう言えるようになると、言葉の力で人生を広げられる気がしませんか?