もし〜だったら…は英語でどう言う?仮定法過去を一発で理解できる方法

もし〜だったら…は英語でどう言う?仮定法過去を一発で理解できる方法

「もし〜だったら…」は妄想?それとも現実?

英語で“たられば”を語る文法の違い

授業中、生徒にこんなことを聞かれたことがあります。

「先生、If I’m hungry と If I were hungry って、どう違うんですか?」
「どっちも“お腹すいてる”って意味じゃないんですか?」

――ナイス質問です。
これは、英語が「現実」と「想像の世界」をちゃんと文法で区別しているからなんです。

英語には「現実を話す文法」と「現実とは違う話をする文法」がある

英語では、「現実の話」と「もしもの話」とで使う文法が変わります。
それぞれ、次のように呼ばれています。

まず、直説法(Indicative mood)
これは、現実に起きていることをそのまま表す文法です。たとえば「今お腹がすいているから、何か食べる」といった、実際の出来事を語るときに使います。

一方、仮定法過去(Subjunctive mood)は、
現実とは違う“もしも”の世界を想像するための文法です。
「今はお腹すいてないけど、もしすいてたら食べるのにな〜」のように、実際には起きていない仮定の話をするときに使います。

たとえば「お腹がすいたら…」という話

たとえば、あなたが今、本当にお腹がすいているとしましょう。
そんなとき、英語ではこう言います。

If I’m hungry, I eat.
(お腹がすいたら、食べる)

これは、現実に起きていることをそのまま話している表現です。
「お腹がすいた → 食べる」という、実際の出来事の流れをそのまま言葉にしているんですね。

こうした現実の話を表すのが、英語の文法でいうところの「直説法(Indicative mood)」です。

 

では、今度はお腹がすいていないときの話をしてみましょう。
でも、「もしすいていたら、食べるのになあ」と想像する場面ってありますよね?

そんなとき、英語ではこう言います。

If I were hungry, I would eat.
(もしお腹がすいていたら、食べるのにな〜)

ここでのポイントは、実際にはお腹がすいていないということ。
でも、「そうだったらこうするのに」と現実とは違う仮の話をしているわけです。

このように、現実とは違う“もしもの世界”を表すときに使うのが「仮定法過去(Subjunctive mood)」です。

つまり…

  • If I’m hungry, I eat.(直説法)
     → 実際にお腹がすいている現実の話

If I were hungry, I would eat.(仮定法過去)
 → 実際にはすいていないけれど、そうだったら…という空想の話

現実か空想かで文法が変わる

ここまで見てきたように、英語では「今の現実」を語るのか、それとも「現実とは違う想像の話」をするのかで、使う文法が変わります

  • 直説法(Indicative mood)
     今起きていることをそのまま話す表現。
     → 「今そうなんだよ」という、現実に基づいた話。
  • 仮定法過去(Subjunctive mood)
     実際には起きていないけれど、「もしそうだったら…」と想像するときの表現。
     → 「今は違うけど、そうだったら…」という仮定や空想の話。

このように、英語は現実と空想を文法で明確に分ける言語なんですね。
それを意識すると、仮定法もグッと理解しやすくなりますよ。


一言で言うなら…

もしこの違いをざっくりまとめるなら、こんな感じになります。

  • If I’m hungry…
     →「今まさにお腹が鳴ってる」という、現実の話
  • If I were hungry…
     →「今は鳴ってないけど、鳴ってたらな〜」という、想像の話

こうやって、文の形から“気持ちの距離感”まで変わるのが英語の面白いところ。
仮定法過去は、ただの文法じゃなくて、想像力を言葉にするための表現なんです。


英語って、こういう“心の中の距離感”まで文法で表せるのが面白いところなんです。