小論文で差がつく!「設問にきちんと答える力」とは何か?

小論文で差がつく!「設問にきちんと答える力」とは何か?

近年の大学入試では、小論文のあり方が変化してきているように感じます。知識の豊富さや表現の上手さだけでは評価されず、「設問にきちんと応える力」が重視されるようになってきました。

たとえば、「地域の高齢化にともなう課題を挙げ、その解決に向けて行政と住民が果たすべき役割について述べなさい」という問題があったとします。この場合、まず課題を整理し、そのうえで行政の対応策、住民の取り組みをそれぞれ分けて述べることが求められます。課題だけに集中したり、話を広げすぎたりしてしまうと、設問に対して答えきれていない印象を与えてしまいます。

設問に過不足なく応えるというのは、料理で言えば「ちょうどよい量の材料を、求められた味つけで提供する」ようなものです。多すぎても少なすぎても、相手が満足する一皿にはなりません

小論文は、ある意味で出題者との対話です。相手の問いに耳を傾け、それに応じて自分の考えを順を追って伝えることが大切だと思います。どれほど立派な主張であっても、相手の質問に答えていなければ、それは一方通行の発信に過ぎません。

さらに、この「設問に応える力」は、大学での学びや社会に出た後にも必要とされる力です。レポートを書くときや会議で意見を述べるときなど、相手の意図をくみ取り、求められている内容に沿って答える場面は数えきれません。

小論文を通して、そうした姿勢を少しずつ身につけていくことができれば、それは文章を書く以上の意味を持つのではないでしょうか。最近では、設問を読むときの目の向け方にも、以前とは違った意識が芽生えてきたように思います。