2024年5月20日
生徒:
先生、何のために働いて、何のために生きているんですか?
先生:
古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、「人生の最終目的は幸せになることだ」と言っています。仕事もお金も恋愛も、すべては幸せになるための手段に過ぎないんです。
生徒:
どういうことですか?具体的に教えてください。
先生:
アリストテレスによると、全ての行動は幸せという究極の目標のために行われます。逆に、お金を目的に辛い努力をしたり、異性にモテることを目的に頑張ったりするのは、本末転倒だと言いました。
生徒:
でも、やりたいことをするには時間が必要だし、ある程度の自由がなければ幸せになれないんじゃないですか?
先生:
確かに、自由な時間が全然持てなかったり、一度も自分の好きなことができなければ、不幸に感じるでしょう。でも、時間があれば本当に幸せになれるのでしょうか?自由になることが幸せのすべてでしょうか?
生徒:
どういうことですか?
先生:
アリストテレスはこう言います。「何事もバランスが大事だ。ありすぎても、足りなすぎても良くない」。例えば、時間があり余ればやる気がなくなるし、逆に自由が一切なければストレスがたまります。中間の状態こそが最も幸福な状態なんです。
生徒:
中庸ってことですか?
先生:
その通りです。アリストテレスは、「人は中庸を目指すことが最終目的だ」と言いました。彼は古代ギリシャのスタゲロスという都市で生まれ、幼い頃に両親を亡くし、義兄に育てられました。プラトンの著書を読んで感銘を受け、アカデメイアという学校で20年間学びました。そこで彼は、動植物や地理について様々な観察や調査を行いました。
生徒:
アリストテレスの考えでは、すべての行動に最終目的があるんですよね?
先生:
そうです。「全ての行動には最終目的があり、それが幸せである」とアリストテレスは言いました。例えば、早起きしている人に「何のために早起きしているのか」と聞くと、「健康になるため」と答えるでしょう。さらに「なぜ健康になりたいのか」と聞くと、「体力をつけるため」、そして「なぜ体力をつけたいのか」と聞くと、「好きな趣味を楽しむため」と答えます。このように、目的をどんどん問い続けると、最終的には「幸せになるため」に行き着きます。
生徒:
でも、幸せって何ですか?
先生:
アリストテレスは、「本当の幸福とは知ることだ」と言いました。私たちは、知らないことを知ることで喜びを感じます。例えば、新しい本を読んで新しい知識を得ることや、新しいスポーツに挑戦して体を動かすことなどがその例です。
生徒:
知ることが幸福ってどういうことですか?
先生:
アリストテレスは、幸福を得るためには「徳」を身につけることが重要だと言います。徳とは、人として良いとされる気質や能力のことです。彼は、判断力、勇気、節制、正義の4つが重要だとしました。これらの力を身につけることで、継続的な幸福を手にすることができると考えました。
生徒:
徳を身につけるって難しくないですか?
先生:
確かに難しいかもしれませんが、アリストテレスは成功体験が重要だと言いました。つまり、良い行動をして成功することで、その行動が身につくのです。逆に、悪い行動をして成功すると、その行動が習慣化してしまいます。どんな人間になりたいかを考え、その理想に近づくための行動をし、それで成功することで、徳のある人間になっていきます。
生徒:
なるほど、中庸が大事なんですね。
先生:
その通りです。アリストテレスは、「何事も中庸が最も幸福に近づく方法だ」と言いました。過剰に仕事に熱中したり、逆に全く働かなかったりすることは、どちらも幸福にはつながりません。バランスを保ちながら新しいことを学び、経験することが、幸せにつながると考えたのです。