2026年 市川中学校 算数 解説|大問1(2) 食塩水の問題はなぜ「操作2のB」から解くのか?構造で見抜く本質解法

2026年 市川中学校 算数 解説|大問1(2) 食塩水の問題はなぜ「操作2のB」から解くのか?構造で見抜く本質解法


2026年度 市川中学校 入試解説

大問1(2)
食塩水の移し替え問題

「取り出すだけでは濃度は変わらない」―― 2通りの美しい解法

【 問 題 文 】

容器Aには、濃度のわからない食塩水が300g入っています。
容器Bには、濃度2%の食塩水が150g入っています。
まず、AからBへ50g移して、よく混ぜました。
次に、BからAへ何gか移して、もう一度よく混ぜました。
その結果、Aの濃度は11%、Bの濃度は5%になりました。
BからAへ移した食塩水は何gですか。

※本記事では、入試問題を参考に、学習用に表現を整理して解説しています。

この問題、どこから手をつける?

Aの最初の濃度を□%、BからAへ移した量を△g とおきます。
わからないものは2つありますが、どちらを先に求めるか――「操作2でBに何が起きたか」に注目するのがカギです。

操作2では、BからAへ取り出すだけで、Bには何も加えていません
ということは、最終的なBの濃度(5%)=操作1直後のBの濃度が成り立ちます。
これを使えば、□(Aの最初の濃度)を先に決めることができます。

スタート

A:300g・□%
B:150g・2%

A→B 50g

操作1後

A:250g・□%
B:200g・5%(←ここがカギ)

B→A △g

ゴール(既知)

A:11%
B:5%

STEP 1 操作1後の各容器を整理する

🔑 大切な原理(A・B 両方に使います)

よく混ざった食塩水から一部を取り出しても、残った液体の濃度は変わりません
(どこを取り出しても同じ濃度だから、取り出した後も同じ濃度が続きます)

重さ食塩の量濃度
A(操作1後)250g250×□÷100=5□÷2 g□%のまま
(取り出しただけ)
B(操作1後)200g3+□÷2=(6+□)÷2 g(6+□)÷4 %

STEP 2 □(Aの最初の濃度)を求める

操作2では、BからAへ取り出すだけ=Bは「減るだけ」

Bに何も加えていないので、Bの濃度は操作1後から変わりません。
つまり:操作1後のBの濃度(6+□)÷4 % = 最終のBの濃度 5%

(6 + □)÷ 4 = 5
6 + □  = 20
□ = 14 → Aの最初の濃度は 14%

確認: 操作1後のBの食塩 = 3 + 14÷2 = 10g / 200g中 → 10÷200×100 = 5%

STEP 3 △(移動量)を求める ―― 2通りの解き方

Aの操作1後の状態:250g・14%・食塩35g
ここにB(5%)から△gを加えて、全体を11%にします。

※AもSTEP1で「取り出しただけ」なので、操作1後のAの濃度は14%のまま変わっていません。

解法① 方程式で解く

操作2後のA重さ食塩の量濃度
計算(250+△)g35+△÷20 g11%
(250+△)× 11 ÷ 100 = 35+△÷20
11×(250+△) = 3500+5△
2750+11△   = 3500+5△
6△ = 750
△ = 125

解法② 濃度の差と逆比で解く(中学受験らしい解き方)

14%のA(250g)と5%のBを混ぜて11%にします。
それぞれの濃度と11%のに注目します。

A:14%
250g
差 3差 6
↑   混合後 11%   ↑
B:5%
△g
14% と 11% の差:3
11% と 5% の差:6
混ぜる量の比は差の逆比なので、
A : B = 6 : 3 = 2 : 1
Aが250gのとき、Bはその半分 → 250 ÷ 2 = 125g

答え

125 g

STEP 4 検算

最終的な重さ最終的な食塩濃度計算確認
容器A250+125=375g35+125÷20=41.25g41.25÷375×100=11%
容器B200-125=75g10-125×5÷100=3.75g3.75÷75×100=5%

食塩水問題の鉄則

■ 覚えておくべき2つの原理

よく混ざった液体を
取り出すだけ
→ 濃度は変わらない
(今回のA・B両方に使った)
違う濃度のものを
加える
→ 濃度が変わる
(操作1のB・操作2のAがこれ)

操作が複数ある食塩水問題では、まず「各操作で容器に何が起きているか」を丁寧に仕分けすることが大切です。
今回のように「片方が減るだけ」の操作があれば、そこから逆算する――というアプローチは入試でたびたび使えます。

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