灘高校 2025 数学 大問1(3)|複雑な確率問題はなぜ「1回分の分布」から解くのか?構造で見抜く本質解説

灘高校 2025 数学 大問1(3)|複雑な確率問題はなぜ「1回分の分布」から解くのか?構造で見抜く本質解説


灘高校 2025年度 入試解説

サイコロ2回の得点合計が5点になる確率

「1回分の分布を先に固める」──これが最短ルート

灘高校2025年度・大問1(3)の確率問題です。この問題の核心は、2回の操作をいきなり同時に扱わないことです。

問 題

2個のサイコロを同時に投げ、次のルールで得点を決める。

ルール①2つの目が異なるとき ── 小さい方の目を得点とする
ルール②2つの目が同じとき ── 得点は 0点

この操作を2回行うとき、2回の得点の合計が5点になる確率を求めなさい。

※本記事では、入試問題を参考に、学習用に表現を整理して掲載しています。解説・表・構成はYBA教育研究会によるオリジナルです。

1

この問題のポイント

この問題でやりがちな失敗は、「2回の操作をいきなり一緒に考えようとすること」です。4つの出目を一度に扱おうとすると、場合の数が一気に増え、整理しきれなくなります。

APPROACH

① まず「1回の操作で各得点が何通りあるか」を完全に整理する
② その後、「2回の合計が5になる組み合わせ」を考える

この2段階に分けることで、問題が一気にシンプルになります。

📌 この問題が試していること

「複雑な事象を段階に分けて整理する力」。いきなり数えようとした答案と、先に構造を整理した答案では出来が大きく分かれます。この問題では、整理の手順が勝負になります。

2

まず1回の操作を整理する

2個のサイコロを1回投げたときの全場合の数:

6 × 6 = 36通り

確率では実際に出たサイコロA・Bの組を数えるので、(1,2) と (2,1) は別の結果です。得点ごとに整理します。

0点(1,1) (2,2) (3,3) (4,4) (5,5) (6,6)6通り

1点(1,2) (2,1) (1,3) (3,1) (1,4) (4,1) (1,5) (5,1) (1,6) (6,1)2×5 = 10通り

2点(2,3) (3,2) (2,4) (4,2) (2,5) (5,2) (2,6) (6,2)2×4 = 8通り

3点・4点・5点も同様に数えると──

得点場合の数分布(÷36)
0点6通り
1点10通り
2点8通り
3点6通り
4点4通り
5点2通り
合計36通り ✓6+10+8+6+4+2

一般式:得点が k 点(k = 1〜5)になる場合の数 = 2(6−k) 通り。小さい方が k のとき、もう一方は k+1〜6 の (6−k) 通りあり、順番が2通り。

注意:6点は存在しません。6点を出すには小さい方が6である必要があるが、そのとき両目が6になりルール②で0点になるため。

3

全体の場合の数

1回目と2回目の操作は独立なので、それぞれの場合の数を掛け合わせます。

36 × 36 = 1296通り

4

合計が5点になる場合の数

1回の得点は 0〜5 のみ(6点なし)。(1回目, 2回目)の組み合わせで合計5点になるものは:

(0, 5) (1, 4) (2, 3) (3, 2) (4, 1) (5, 0)
組み合わせ1回目2回目計算場合の数
(0, 5)6通り2通り6 × 212通り
(1, 4)10通り4通り10 × 440通り
(2, 3)8通り6通り8 × 648通り
(3, 2)6通り8通り6 × 848通り
(4, 1)4通り10通り4 × 1040通り
(5, 0)2通り6通り2 × 612通り
12 + 40 + 48 + 48 + 40 + 12 =200通り

5

確率を求める

求める確率 =

200
1296

25
162

(200と1296の最大公約数は8)

ANSWER
25
162

6

受験生がよく間違えるポイント

ミス①2回分をまとめて数えようとする
4つの出目を一度に並べようとして混乱する。「1回分の分布を先に固める」手順を徹底しましょう。

ミス②同じ目が出ても得点を数えてしまう
(4,4) を「4点」として計算してしまうミスが多い。ルール②で同じ目は0点。「例外処理」を見落としやすいので、問題文をゆっくり確認する習慣を。

ミス③「6点があるはず」と思って合計に組み込む
1回の得点は 0・1・2・3・4・5 のみです。6点は存在しません。合計5点を作るときも、この範囲の中だけで考えます。

ミス④約分を忘れる・間違える
200/1296 の最大公約数は8。200÷8=25、1296÷8=162。約分後の答えが最終形です。

7

同じ型の練習問題

「1回分の分布を整理 → 2回独立に組み合わせる」型の問題を2題用意しました。

練習問題① 基本

2個のサイコロを同時に投げ、2つの目が異なるときは大きい方の目を得点、同じときは0点とする。この操作を2回行うとき、2回の得点の合計が7点になる確率を求めよ。

ヒント:1回分の得点分布を表にする。この問題では1点は存在しない。

答え5/81

練習問題② 応用

2個のサイコロを同時に投げ、2つの目の(大きい方から小さい方を引いた値)を得点とする。この操作を2回行うとき、2回の得点の合計が4点になる確率を求めよ。

ヒント:差が k になる場合の数を先に表にする。実はこの問題の分布は本問と同じ構造になる。

答え29/162

SUMMARY

この問題から学べること

場合の数・確率の問題は、「何を最初に整理するか」で計算量が大きく変わります。複雑な条件が重なって見えるときほど、「1回分・1段階分を先に固めてから次へ」という手順が有効です。この考え方は難関校の確率問題でも重要になる、本質的な整理の技術です。

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