2026年5月24日
灘高校 2025年度 入試解説
サイコロ2回の得点合計が5点になる確率
「1回分の分布を先に固める」──これが最短ルート
灘高校2025年度・大問1(3)の確率問題です。この問題の核心は、2回の操作をいきなり同時に扱わないことです。
| 問 題 |
2個のサイコロを同時に投げ、次のルールで得点を決める。
| ルール① | 2つの目が異なるとき ── 小さい方の目を得点とする |
| ルール② | 2つの目が同じとき ── 得点は 0点 |
この操作を2回行うとき、2回の得点の合計が5点になる確率を求めなさい。
※本記事では、入試問題を参考に、学習用に表現を整理して掲載しています。解説・表・構成はYBA教育研究会によるオリジナルです。
| 1 | この問題のポイント |
この問題でやりがちな失敗は、「2回の操作をいきなり一緒に考えようとすること」です。4つの出目を一度に扱おうとすると、場合の数が一気に増え、整理しきれなくなります。
APPROACH ① まず「1回の操作で各得点が何通りあるか」を完全に整理する |
この2段階に分けることで、問題が一気にシンプルになります。
📌 この問題が試していること 「複雑な事象を段階に分けて整理する力」。いきなり数えようとした答案と、先に構造を整理した答案では出来が大きく分かれます。この問題では、整理の手順が勝負になります。 |
| 2 | まず1回の操作を整理する |
2個のサイコロを1回投げたときの全場合の数:
確率では実際に出たサイコロA・Bの組を数えるので、(1,2) と (2,1) は別の結果です。得点ごとに整理します。
| 0点 | (1,1) (2,2) (3,3) (4,4) (5,5) (6,6) | 6通り |
| 1点 | (1,2) (2,1) (1,3) (3,1) (1,4) (4,1) (1,5) (5,1) (1,6) (6,1) | 2×5 = 10通り |
| 2点 | (2,3) (3,2) (2,4) (4,2) (2,5) (5,2) (2,6) (6,2) | 2×4 = 8通り |
3点・4点・5点も同様に数えると──
| 得点 | 場合の数 | 分布(÷36) | ||
|---|---|---|---|---|
| 0点 | 6通り | |||
| 1点 | 10通り | |||
| 2点 | 8通り | |||
| 3点 | 6通り | |||
| 4点 | 4通り | |||
| 5点 | 2通り | |||
| 合計 | 36通り ✓ | 6+10+8+6+4+2 |
一般式:得点が k 点(k = 1〜5)になる場合の数 = 2(6−k) 通り。小さい方が k のとき、もう一方は k+1〜6 の (6−k) 通りあり、順番が2通り。
注意:6点は存在しません。6点を出すには小さい方が6である必要があるが、そのとき両目が6になりルール②で0点になるため。
| 3 | 全体の場合の数 |
1回目と2回目の操作は独立なので、それぞれの場合の数を掛け合わせます。
| 4 | 合計が5点になる場合の数 |
1回の得点は 0〜5 のみ(6点なし)。(1回目, 2回目)の組み合わせで合計5点になるものは:
| 組み合わせ | 1回目 | 2回目 | 計算 | 場合の数 |
|---|---|---|---|---|
| (0, 5) | 6通り | 2通り | 6 × 2 | 12通り |
| (1, 4) | 10通り | 4通り | 10 × 4 | 40通り |
| (2, 3) | 8通り | 6通り | 8 × 6 | 48通り |
| (3, 2) | 6通り | 8通り | 6 × 8 | 48通り |
| (4, 1) | 4通り | 10通り | 4 × 10 | 40通り |
| (5, 0) | 2通り | 6通り | 2 × 6 | 12通り |
| 12 + 40 + 48 + 48 + 40 + 12 = | 200通り | |||
| 5 | 確率を求める |
| 200 |
| 1296 |
=
| 25 |
| 162 |
(200と1296の最大公約数は8)
| ANSWER |
| 25 |
| 162 |
| 6 | 受験生がよく間違えるポイント |
| ミス① | 2回分をまとめて数えようとする 4つの出目を一度に並べようとして混乱する。「1回分の分布を先に固める」手順を徹底しましょう。 |
| ミス② | 同じ目が出ても得点を数えてしまう (4,4) を「4点」として計算してしまうミスが多い。ルール②で同じ目は0点。「例外処理」を見落としやすいので、問題文をゆっくり確認する習慣を。 |
| ミス③ | 「6点があるはず」と思って合計に組み込む 1回の得点は 0・1・2・3・4・5 のみです。6点は存在しません。合計5点を作るときも、この範囲の中だけで考えます。 |
| ミス④ | 約分を忘れる・間違える 200/1296 の最大公約数は8。200÷8=25、1296÷8=162。約分後の答えが最終形です。 |
| 7 | 同じ型の練習問題 |
「1回分の分布を整理 → 2回独立に組み合わせる」型の問題を2題用意しました。
| 練習問題① 基本 |
2個のサイコロを同時に投げ、2つの目が異なるときは大きい方の目を得点、同じときは0点とする。この操作を2回行うとき、2回の得点の合計が7点になる確率を求めよ。
ヒント:1回分の得点分布を表にする。この問題では1点は存在しない。
| 答え | 5/81 |
| 練習問題② 応用 |
2個のサイコロを同時に投げ、2つの目の差(大きい方から小さい方を引いた値)を得点とする。この操作を2回行うとき、2回の得点の合計が4点になる確率を求めよ。
ヒント:差が k になる場合の数を先に表にする。実はこの問題の分布は本問と同じ構造になる。
| 答え | 29/162 |
| SUMMARY |
この問題から学べること
場合の数・確率の問題は、「何を最初に整理するか」で計算量が大きく変わります。複雑な条件が重なって見えるときほど、「1回分・1段階分を先に固めてから次へ」という手順が有効です。この考え方は難関校の確率問題でも重要になる、本質的な整理の技術です。
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