2026年6月8日
YBA教育研究会|英文法解説シリーズ
【シェイクスピアの名文から学ぶ!】
関係代名詞の省略と後置修飾──
中学後半から高校英語まで効く読解文法
「英語の長文が読めないのは、単語力が足りないからだ」——多くの人はそう思っています。
しかし実際は、単語をすべて知っていても読めない文が存在します。名詞の直後に動詞のような形が来て、文の構造が突然見えなくなる。その正体は、単語の問題ではなく 語順のルール の問題です。
このルールを一つ知るだけで、長文の見え方がかなり変わります。今回学ぶのは 分詞による後置修飾。400年前のシェイクスピアの名文を入口に、現代英語の読解に直結する仕組みを見ていきましょう。
📋 この記事の内容
① シェイクスピアの名言に隠れた文法
“And therefore is winged Cupid painted blind.”
── William Shakespeare『真夏の夜の夢』
(訳:だから、羽のあるキューピッドは盲目に描かれているのだ)
シェイクスピアの英語は古風な詩的語順をとるため、現代英語に直すとこうなります。
| 原文(詩的語順) | …is winged Cupid painted blind. |
| 現代語順に直すと | winged Cupid is painted blind. |
| 日本語訳 | 羽のあるキューピッドは、盲目に描かれている。 |
ここで登場する painted blind(盲目に描かれた)は、過去分詞が名詞に情報を添えるという感覚を見せてくれます。
この「名詞+過去分詞」の形は、現代英語では後置修飾としてごく普通に使われます。
たとえば──
▼ 現代英語での後置修飾(省略の仕組み)
| 元の形 | the letter [which was] written in French |
| 省略後 | the letter written in French (フランス語で書かれた手紙) |
② なぜ「who is」「which is」は省略されるのか?
英語では、主格の関係代名詞(who / which / that)+ be動詞 のあとに分詞・形容詞・前置詞句などが続く場合、意味が明らかなときにこのセットを省略できます。意味が重複する部分を省き、説明部分だけを名詞の後ろに残す、という仕組みです。
📌 省略のルール
名詞の直後に 【関係代名詞 + be動詞 + 分詞/形容詞/前置詞句】 が続くとき、
関係代名詞+be動詞をまとめて省略し、過去分詞(made / written など) または 現在分詞(〜ing) だけを残して名詞を後ろから修飾できる。
※ 特に「be動詞+過去分詞」「be動詞+現在分詞」の形でこの省略がよく起こります。すべての主格関係代名詞が省略できるわけではありません(例:The man who is my teacher → The man my teacher とは言えない)。
③ 日本語と英語で「語順」が真逆になる理由
日本語と英語では、名詞を説明するときの語順が根本的に違います。ここが「英語がわかりにくい」と感じる原因のひとつです。
| 日本語(説明が先) | 英語(説明が後ろ) |
|---|---|
| 【盲目に描かれた】キューピッド | Cupid 【painted blind】 |
| 【日本で作られた】車 | the car 【made in Japan】 |
| 【事故で壊れた】窓 | the window 【broken in the accident】 |
💡 英語の発想:「まず名前をドンと言ってから、どんな〇〇かを後ろから詳しく説明する」
日本語の発想:「どんな〇〇かを先に言ってから、名前で締める」
英語を読むときは、「名詞が出たら、その後ろにまだ説明が来るかも?」と構えるクセをつけましょう。
④ 過去分詞だけじゃない!現在分詞(〜ing)も同じ仕組み
「who is」の後ろに来るのは 過去分詞(〜ed / made / written など) だけではありません。現在分詞(〜ing) でも同じように後置修飾が起こります。
| 分詞の種類 | 意味のニュアンス | 例文 |
|---|---|---|
| 過去分詞(〜ed) | 「〜された」(受け身・完了) | the car made in Japan 日本で作られた車 |
| 現在分詞(〜ing) | 「〜している」(能動・進行) | the girl standing by the window 窓のそばに立っている女の子 |
【省略の確認】
the girl [who is] standing by the window
↓
the girl standing by the window
⑤ 実際の文でトレーニング!例文集
次の例文を見て、[ ] の中を補いながら意味を確認してみましょう。
| 省略された形 | 元の形(省略前) |
|---|---|
| the language spoken in Brazil | the language [which is] spoken in Brazil (ブラジルで話されている言語) |
| the boy sitting next to me | the boy [who is] sitting next to me (私の隣に座っている男の子) |
| the picture taken in Kyoto | the picture [which was] taken in Kyoto (京都で撮られた写真) |
| the students waiting outside | the students [who are] waiting outside (外で待っている生徒たち) |
⑥ 練習問題
次の( )に入る適切な形を選びなさい。(答えは下に)
問1 The cakes ( ) at this shop are delicious.
(このお店で作られているケーキはおいしい)
ア. make イ. made ウ. making
問2 The man ( ) in front of the station is my uncle.
(駅前に立っている男性は私のおじです)
ア. stands イ. stood ウ. standing
問3 The singer ( ) by many fans is from Japan.
(多くのファンに愛されているその歌手は日本出身だ)
ア. love イ. loved ウ. loving
📝 答え
問1:イ. made(受け身→過去分詞。[which are] made at this shop の省略)
問2:ウ. standing(〜している→現在分詞。[who is] standing の省略)
問3:イ. loved(〜されている→過去分詞。[who is] loved by many fans の省略)
⚡ この文法の核心
| ① | 「名詞 + 過去分詞(〜ed)」=「〜された名詞」 → 後ろから訳す |
| ② | 「名詞 + 現在分詞(〜ing)」=「〜している名詞」 → 後ろから訳す |
| ③ | 「関係代名詞+be動詞」を補うと意味が見えやすい。実際の読解では「名詞+分詞=後ろから名詞を説明」と捉えればよい。現代英語でよく使われる形。 |
| ④ | 日本語に訳すときは後ろから戻る。英語を読むときは「名詞をつかみ、その後ろの説明を前から足していく」感覚が長文読解のスピードにつながる。 |
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