2026年6月3日
English Grammar — YBA教育研究会
【なぜ which じゃないの?】
関係代名詞 that の使い方を
シェイクスピアで学ぶ
「関係代名詞は who・which・that の3つを別々に覚えればいい」
そう思っていませんか?
実は、that には他の2つにはない、特別な出番があります。
今回は、世界中で今も使われているシェイクスピアの名セリフを教材に、関係代名詞 that の本質を攻略しましょう。
1|まずはこの名セリフを読んでみよう
“All that glisters is not gold.”
── William Shakespeare,『ヴェニスの商人』(1600年頃)
📖 意味:「輝くものすべてが金とは限らない」
=見た目だけで判断してはいけない、という教訓。ことわざとして今日まで使われています。
※ 原文の glisters は現代英語の glitters(輝く)と同じ意味。現代のことわざでは All that glitters is not gold. の形が一般的です。
2|まず「骨組み」を取り出す
関係代名詞が出てきたら、まず「おまけの説明」をカッコで隠すのが鉄則です。
that glisters(輝く)の部分をいったん隠してみましょう。
| 隠す前(原文) | All that glisters is not gold. |
| 隠した後(骨組み) | All is not gold. |
◆ 大きく分けると [All that glisters] / is not gold. という構造です。
主語のかたまりは All that glisters(輝くものすべて)、述語が is not gold(金とは限らない)。
まずこの骨組みをしっかり掴んでから、中身を見ていくのがコツです。
3|関係代名詞 that は「どんな All なの?」を説明する
骨組みだけだと「すべて…ってどんな『すべて』のこと?」となりますよね。そこで登場するのが関係代名詞 that です。
All 先行詞(修飾される語) | ◀ | that glisters 関係代名詞節(「輝く」という説明) |
| 語句 | 役割 | 意味 |
|---|---|---|
| All | 先行詞 | すべてのもの |
| that glisters | 関係代名詞節 | きらきら輝く(All を修飾) |
| is not gold | 述語 | 金ではない(部分否定) |
4|なぜ which じゃなくて that なの?
英語には、先行詞が all / every / only / the very などの「強調・総称系の語」のときは which より that を好むというルールがあります。
| 先行詞の種類 | 使う関係代名詞 | 例 |
|---|---|---|
| all / every / only など | that ◆(which より好まれる) | All that glisters is not gold. (現代では glitters も使われる) |
| 普通の「もの・動物」 | which / that | The book which I bought… |
| 普通の「人」 | who / that | The girl who spoke… |
💡 覚え方:先行詞が all・every・only のような「すべて」「唯一」「最高・最低」系なら → that を使うと覚えておこう!
5|超重要文法「部分否定」を押さえよう
この文には受験英語でも頻出の「部分否定」が使われています。
| 解釈 | 意味 | |
|---|---|---|
| ❌ | 全否定(間違い) | 輝くものは一つも金ではない |
| ⭕ | 部分否定(正解) | 輝くものの中には金もあるが、 すべてが金とは限らない |
⚠️ 入試頻出ポイント:
All ~ is/are not … → 「すべてが…というわけではない」(部分否定)
not を「全部ダメ」と全否定で訳すのが最も多いミスです。要注意!
6|先行詞が「人」の場合:who の代わりの that
もう一つ、同じ『ヴェニスの商人』から今度は先行詞が「人」のセリフを見てみましょう。
“He that is giddy thinks the world turns round.”
(目が回っている者は、世界が回っていると思い込む)
| 語句 | 役割 | 意味 |
|---|---|---|
| He | 先行詞(人) | その人 |
| that is giddy | 関係代名詞節 | クラクラ目が回っている(He を修飾) |
| thinks the world turns round | 述語 | 世界が回っていると思い込む |
◆ that は先行詞が「もの」でも「人」でも使えます。
現代英語で who に置き換えるなら → He who is giddy thinks the world turns round.
💡 ポイント:that は who(人) にも which(もの) にも代わることができる万能選手!
7|今日持ち帰る3つのこと
| ① | 関係代名詞を見つけたら「おまけ」をカッコで隠し、骨組みを先に掴む |
| ② | 先行詞が all / every / only 系のときは which より that を使う |
| ③ | All ~ is not … は全否定ではなく部分否定(「すべて…とは限らない」) |
シェイクスピアの名文の中に、英語の文法の芯がしっかり息づいています。
名文を通じて英語を学ぶと、文法が「ルール暗記」ではなく「生きた言葉」として身についていきます。
YBA教育研究会
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