シェイクスピア|なぜ which ではなく that なのか?名言から見抜く「関係代名詞」の構造

シェイクスピア|なぜ which ではなく that なのか?名言から見抜く「関係代名詞」の構造


English Grammar — YBA教育研究会

【なぜ which じゃないの?】
関係代名詞 that の使い方を
シェイクスピアで学ぶ

「関係代名詞は whowhichthat の3つを別々に覚えればいい」
そう思っていませんか?
実は、that には他の2つにはない、特別な出番があります。
今回は、世界中で今も使われているシェイクスピアの名セリフを教材に、関係代名詞 that の本質を攻略しましょう。

1|まずはこの名セリフを読んでみよう

“All that glisters is not gold.”

── William Shakespeare,『ヴェニスの商人』(1600年頃)

📖 意味:「輝くものすべてが金とは限らない」
=見た目だけで判断してはいけない、という教訓。ことわざとして今日まで使われています。
※ 原文の glisters は現代英語の glitters(輝く)と同じ意味。現代のことわざでは All that glitters is not gold. の形が一般的です。

2|まず「骨組み」を取り出す

関係代名詞が出てきたら、まず「おまけの説明」をカッコで隠すのが鉄則です。
that glisters(輝く)の部分をいったん隠してみましょう。

隠す前(原文)All that glisters is not gold.
隠した後(骨組み)All   is not gold.

◆ 大きく分けると [All that glisters] / is not gold. という構造です。
主語のかたまりは All that glisters(輝くものすべて)、述語が is not gold(金とは限らない)。
まずこの骨組みをしっかり掴んでから、中身を見ていくのがコツです。

3|関係代名詞 that は「どんな All なの?」を説明する

骨組みだけだと「すべて…ってどんな『すべて』のこと?」となりますよね。そこで登場するのが関係代名詞 that です。

All

先行詞(修飾される語)

that glisters

関係代名詞節(「輝く」という説明)

語句役割意味
All先行詞すべてのもの
that glisters関係代名詞節きらきら輝く(All を修飾)
is not gold述語金ではない(部分否定)

4|なぜ which じゃなくて that なの?

英語には、先行詞が all / every / only / the very などの「強調・総称系の語」のときは which より that を好むというルールがあります。

先行詞の種類使う関係代名詞
all / every / only などthat ◆(which より好まれる)All that glisters is not gold.
(現代では glitters も使われる)
普通の「もの・動物」which / thatThe book which I bought…
普通の「人」who / thatThe girl who spoke…

💡 覚え方:先行詞が all・every・only のような「すべて」「唯一」「最高・最低」系なら → that を使うと覚えておこう!

5|超重要文法「部分否定」を押さえよう

この文には受験英語でも頻出の「部分否定」が使われています。

 解釈意味
全否定(間違い)輝くものは一つも金ではない
部分否定(正解)輝くものの中には金もあるが、
すべてが金とは限らない

⚠️ 入試頻出ポイント:
All ~ is/are not …「すべてが…というわけではない」(部分否定)
not を「全部ダメ」と全否定で訳すのが最も多いミスです。要注意!

6|先行詞が「人」の場合:who の代わりの that

もう一つ、同じ『ヴェニスの商人』から今度は先行詞が「人」のセリフを見てみましょう。

“He that is giddy thinks the world turns round.”

(目が回っている者は、世界が回っていると思い込む)

語句役割意味
He先行詞(人)その人
that is giddy関係代名詞節クラクラ目が回っている(He を修飾)
thinks the world turns round述語世界が回っていると思い込む

that は先行詞が「もの」でも「」でも使えます。
現代英語で who に置き換えるなら → He who is giddy thinks the world turns round.

💡 ポイント:thatwho(人) にも which(もの) にも代わることができる万能選手!

7|今日持ち帰る3つのこと

関係代名詞を見つけたら「おまけ」をカッコで隠し、骨組みを先に掴む
先行詞が all / every / only 系のときは which より that を使う
All ~ is not … は全否定ではなく部分否定(「すべて…とは限らない」)

シェイクスピアの名文の中に、英語の文法の芯がしっかり息づいています。
名文を通じて英語を学ぶと、文法が「ルール暗記」ではなく「生きた言葉」として身についていきます。

YBA教育研究会

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