【英語・英文法】進行形にできる動詞・できない動詞の違い|状態動詞と動作動詞を見分ける「動画」の基準

【英語・英文法】進行形にできる動詞・できない動詞の違い|状態動詞と動作動詞を見分ける「動画」の基準

ENGLISH GRAMMAR / 時制・アスペクト

「進行形」にできる動詞と
できない動詞の違いは?

I am knowing him. は、なぜダメなのか。

多くの参考書はこう答えます。——「know は状態動詞だから」。

それは答えではありません。
名前を付けただけです。

名前を覚えても、単語帳に載っていない動詞は裁けません。この記事で渡すのは、初めて見る動詞をその場で自分で判定するための基準——ただ一つ、それだけです。

◆ 先に結論

進行形にできるかどうかは、「その出来事に《途中》があるか」——まずここを見ます。
言い換えれば、カメラを向けたときに“動画”になるか、“静止画”になるか
入試レベルなら、この一本でかなり戦えます。

01

THE MOVIE PRINCIPLE

進行形の本質は「動画(ムービー)」

進行形(am / is / are + ~ing)が表しているのは、始まってから終わるまでの“真ん中”を切り取った一場面です。

run(走る)には、スタートがあり、ゴールがあり、その間に「走っている最中」があります。だから I am running. と言えます。

ところが know(知っている)はどうでしょう。「彼を知っている」というのは、すでに成立してしまっている状態です。「知っている最中」という作業をしているわけではありません。今その途中だと言う余地がないのです。

◆ 先に大事な注意

ここでいう「動画」は、体が動いているという意味ではありません
sleep(眠る)を撮影すればほぼ静止画ですが、He is sleeping. は普通に言えます。眠りには「始まり→継続→終わり」という時間的な展開があるからです。
見るべきは見た目の動きではなく、時間の中で展開しているかどうかです。

◎ 動画になる(動作動詞)

run / eat / write / open / cook / sleep
→ 進行形OK

△ 静止画になる(状態動詞)

know / like / believe / resemble / belong
→ 進行形は原則NG

02

FIVE ROOMS OF STATE VERBS

状態動詞は「5つの部屋」に分けて覚える

状態動詞を一列に並べて暗記しようとすると必ず崩れます。意味のグループごとに分類しておくと、知らない動詞に出会ったときも「これは関係の部屋だ」と判断できます。

分類代表的な動詞なぜ「途中」がないのか
① 心の中の判断know, believe, understand, remember, doubt, mean「知っている」という状態そのもので、進行中の作業として切り取らない
② 感情・好みlike, love, hate, want, prefer, need努力して維持しているものではなく、すでにそうなっている
③ 知覚(受け身の感覚)see, hear, notice, smell目や耳を開けていれば入ってくる。自分で進めている作業ではない
④ 所有have, own, possess, belong to持っているか持っていないかで、中間地点がない
⑤ 関係・属性resemble, consist of, contain, cost, weigh, equal物と物の関係を述べているだけで、誰も何もしていない

とくに⑤は入試の書き換え問題で狙われます。「似ている」を進行形にしたくなったら、resemble ではなく look like を使う——これで一問拾えます。

なお③には注意が必要です。feel と taste は、あとで見るように意味によって動作側へ移る動詞です。また「一時的な体調」を表すときは I’m feeling tired.(今つかれている)のように進行形も使われます。同じ「感覚」の箱でも、see / hear ほど固くはありません。

03

LIMITS OF THE 3-SECOND TEST

「3秒で止められる?」テストの使い方と限界

判定に迷ったとき、その動詞に「はい、ストップ!」と声をかけてみる方法は有効です。run なら止まれる。know は「3秒だけ彼を忘れて」と言われても不可能。この直感は多くの場面で当たります。

ただし、この便利なテストには穴があります。ここを知っているかどうかで、理解の深さが変わります。

◆ 反例:It is raining.

雨に「3秒でストップ!」と言っても止まりません。止められないのに、堂々と進行形です。
つまり「止められるか」は本質ではなく、便利な近道にすぎません。本質はあくまで「途中があるか」。雨は降り始めから降り終わりまでの過程があるので、動画として成立するのです。

同じ理由で、「変化の途中」なら状態っぽい動詞でも進行形になります

The leaves are turning red. / 葉が色づいていく途中
He is getting better. / 回復に向かう途中
Prices are rising. / 値上がりの途中

止められるかどうかは無関係で、過程があるかどうかだけが問われています。

04

CHAMELEON VERBS

意味で顔を変える「カメレオン動詞」

実は、英語の動詞は最初からどちらか一方に決まっているわけではありません。同じ単語でも、意味が動作寄りに切り替わった瞬間に進行形が解禁されます

動詞状態の顔 △ 進行形NG動作の顔 ◎ 進行形OK
haveI have a car.(所有)I’m having lunch.(食べる)
We’re having a party.(催す)
thinkI think you are right.(意見を持つ)I’m thinking about it.(頭を回転させる)
seeI see a bird.(視界に入る)I’m seeing a doctor.(会う・診てもらう)
tasteIt tastes good.(味がする)She’s tasting the soup.(味見する)
feelThis feels soft.(そう感じられる)He’s feeling my forehead.(触って確かめる)

◆ 見分け方

主語が何らかの活動や変化の中にいるなら動作的、単に状態や関係が成立しているだけなら状態的。
taste のようなカメレオン動詞なら、もっと簡単です。「自分から味見している」のか、「味がする」だけなのか。スプーンを口へ運ぶ動きがあるかどうか、で決まります。

05

BREAKING THE RULE

ルールを破って「今だけ感」を注入する上級技

状態動詞をあえて進行形にすると、実は文法違反ではありません。起きているのは、動詞を別の捉え方に切り替えることです。マクドナルドの I’m lovin’ it. は、love を「今まさに楽しんでいる体験」として動作的に見せています。

つまり進行形にすると、「状態」だったものが「一時的な体験・振る舞い」として立ち上がるのです。

現在形 / 固定された事実進行形 / 現在の一場面
I love it.
普段からずっと好き(安定した状態)
I’m lovin’ it.
今この瞬間、最高に楽しんでいる
He is foolish.
彼はバカだ(変わらない性格)
He is being foolish.
今だけふざけている(性格ではなく振る舞い)
I live in Tokyo.
東京在住という事実を述べる
I’m living in Tokyo.
「現在は東京で暮らしている」と今の期間を意識させる。文脈によっては一時的な響き

◆ is being に一つ制約あり

この形が使えるのは、振る舞いとして演じられる性質だけです。
◎ He is being rude.(今だけ失礼な態度をとっている)
× He is being tall.(背の高さは振る舞えない)

さらに、単語帳の「状態動詞/動作動詞」だけでは裁けない例を三つ見ておきましょう。

You’re always losing your keys.

「君って、いつも鍵をなくしてばかりだね」

進行形なのに always が付き、意味は「今だけ」どころか繰り返しです。ここで進行形が映しているのは一回の出来事ではなく、繰り返される行動を目の前の動画のように見せる働きです。話し手の呆れや驚きが混ざることもあります。

I’m having trouble with this question.

「この問題で困っている」

× I’m having a car. は言えないのに、have trouble なら進行形になります。ここでの have は「所有している」ではなく「ある経験の中にいる」。だから単語にシールを貼って終わる覚え方が危険なのです。

I’m knowing the answer.

「状態動詞も進行形になるなら、これもアリでは?」

これは普通の英語では不自然です。know の「知っている」は、そう簡単には「今やっている活動」へ読み替えられません。自然なのは I know the answer. か、I’m beginning to understand the answer. のような形です。読み替えられる意味と、読み替えられない意味がある——ここが分かれ目です。

◆ 入試での立ち回り

・単純な文法問題で、所有・知識・好みなどの状態を表しているなら、安易に進行形を選ばない
・逆に He is being rude. のように「一時的な振る舞い」を問う設問なら、進行形が正解になる
・長文で I’m loving it. 型に出会ったら、「一時的な意味を強調しているのだ」と読む

06

QUIZ / 5 QUESTIONS

実戦チェック(全5問)

Q1

怪しい男 その男は、今まさにジロジロとこちらを見ています。

AHe is seeing us.
BHe is looking at us.
Q2

店員の態度 いつもは親切な店員が、今日だけ冷たい。

AHe is cruel.
BHe is being cruel.
Q3

頭の中 その数学の問題について、今まさに頭を回転させている。

AI’m having an idea about the problem.
BI’m thinking about the problem.
Q4

兄弟 「あの二人は、だんだん似てきているね」

AThey are resembling each other more and more.
BThey are starting to look more and more alike.
Q5

キッチン 母がスープにスプーンを入れ、味を確かめている。

AShe is tasting the soup.
BThe soup is tasting good.
07

ANSWERS

解答と解説

◎ 第1問 B: He is looking at us.

see は目を開けていれば入ってくる知覚で、自分で進めている作業ではありません。look at は「首を向けて視線を送る」という活動なので動画になります。

◎ 第2問 B: He is being cruel.

A では「根っから残忍な性格だ」という属性の話になり、「いつもは親切」という前提と矛盾します。is being にすることで、性格ではなく今とっている振る舞いに焦点が移ります。

◎ 第3問 B: I’m thinking about the problem.

アイデアは頭の中に「ある/ない」で、have には工程がありません。think about は思考という活動そのものなので進行形が生きます。

※「いいアイデアをひねり出そうとしている」と言いたいなら、I’m trying to think of a good idea. が自然です。think of は「思い浮かぶ」なので、まだ無いものを目的語にすると妙になります。

◎ 第4問 B

「だんだん似てきている」は変化の途中なので、進行形にしたい気持ちは正しいのです。しかし resemble は⑤関係・属性の動詞で、入試英語では原則として進行形にしません。動詞を替えて意味を通すのが正解ルートです。

◎ 第5問 A: She is tasting the soup.

同じ taste でも、味見という作業には手の動きがあります。B の「味がする」は成立している性質なので、The soup tastes good. と現在形にします。

ASPECT = CAMERA

進行形は「時間」ではなく「カメラ」だった

ここまで来たら、種明かしをします。

-ing が操作しているのは、時間そのものだけではありません。話し手が、その出来事をどう見せるかです。

PROFILE

I live in Tokyo.

「東京在住」というプロフィールを置いている

SCENE

I’m living in Tokyo.

「現在、東京で暮らしている」という一つの期間にカメラを寄せている

PROFILE

He always loses his keys.

「鍵をよくなくす人だ」という習慣・事実

SCENE

He’s always losing his keys.

「またなくした。前もなくした。まただ」という連続を目の前で再生している

◆ 現在形と進行形の違い

現在形は「世界についての記述」。
進行形は「その世界の一場面にカメラを入れる」。

だから、状態動詞が進行形になりにくい理由も見えてきます。know の「知っている」、own の「所有している」、resemble の「似ている」は、それ自体が完成した関係です。そこへカメラを入れても、「いま何かが展開している」場面を作りにくい。

逆に He’s being foolish.I’m loving this.I’m living in Tokyo. のように、「今の振る舞い」「現在の体験」「現在という期間」として一場面に切り出せれば、進行形が生きてきます。

◆ 暗記する順番が逆だった

「know は状態動詞だから進行形にしない」ではなく、
「know のこの意味は、普通は展開中の場面として捉えない。だから進行形にならない」

動詞に最初から「進行形OK」「進行形NG」のシールが貼られているわけではありません。意味が変わればカメラの入り方が変わり、カメラの入り方が変われば文法まで変わる。これが have / think / see / taste / feel が途中で顔を変えた理由です。

ただし、正直に限界も言っておきます。

I’m meeting him tomorrow.(明日、彼と会います)のように、進行形には「決まっている未来の予定」を表す用法もあります。これは「今まさに会っている途中」ではありません。この記事の判定法は「どの動詞が -ing を取れるか」に効くもので、進行形の全用法を覆う魔法の法則ではないのです。

そしてこの「カメラ」という見方も、判定手順ではなく説明です。初めて見る動詞をその場で裁くときは、前半の「動画になるか、静止画になるか」を使ってください。カメラの話は、なぜその判定が効くのかを裏側から見せているにすぎません。

これは、世界について動かない事実を述べているのか。
それとも、いま動いている一場面に、カメラを入れているのか。

迷ったら、そこだけを見ればいい。

最初の問いに戻ります。I am knowing him. がダメな理由は、know が「状態動詞」という名前だからではありません。「知っている」に、カメラを入れる隙がないからです。

進行形は、動詞の種類を覚える文法ではありません。英語が世界をどう切り取っているか、それがそのまま形になった文法です。

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