2026年4月17日
Study Method
英単語の覚え方
脳をダマす、4つの戦略
YBA 教育研究会
「単語帳を何周しても覚えられない」「覚えてもすぐ忘れる」——そんな悩みを抱える受験生は少なくありません。しかし問題は、努力の量ではありません。脳への「伝え方」が間違っているだけです。
脳をうまくダマして「これは重要な情報だ」と思い込ませる——その具体的な方法を、段階別に解説します。
CHAPTER 01 なぜ「ていねいに覚える」と忘れるのか |
1単語に1分かけて丁寧に覚えようとする——これは一見まじめに見えますが、脳科学的には非効率です。脳は「繰り返し出会う情報」を「生存に必要なもの」と判断して記憶に保存する性質があります。1回じっくり見ても、脳は「たまたま1回出会っただけ」と処理してしまいます。
鍵は「質より量の出会い」。1単語5秒でよいので、10回出会わせる。それが記憶への最短経路です。
CHAPTER 02 基本4メソッド|脳をダマす記憶術 |
01 | 「出会い」の回数を爆増させる1日100単語をパラパラと「眺める」のを3〜5周します。じっくり1ページを進めるのをやめましょう。1単語あたり5秒、100単語を1周15〜20分で終わらせます。 WHY 脳は「何度も目にするもの」を「生きるために必要な情報」と判断する。1回じっくりより、10回さらっとの方が記憶に刻まれる。 |
02 | 「思い出す」瞬間を意図的につくるただ読むのは「作業」です。単語帳の「意味」を隠し、0.5秒以内に意味が浮かぶかを常に自分でテストしてください。 WHY 記憶は「覚える(入力)」ときではなく、「思い出そうとする(出力)」ときに最も強く定着する。これを「テスト効果」という。 |
03 | 「独り言」で状況とセットにする単語を記号として覚えるのではなく、自分の「体験」として脳に保存します。覚えたての単語を使って、今目の前で起きていることを英語で独り言しましょう。 例:procrastinate(先延ばしにする)を覚えたら→「あ、いまスマホ見て勉強を procrastinate してるな…」と呟く。 WHY 自分の感情や実体験が乗った情報は「エピソード記憶」となり、断然忘れにくくなる。 |
04 | 寝る前・起きた直後の「サンドイッチ学習」寝る前15分で新しい単語を眺め、翌朝5分で「昨夜のやつ、何だっけ?」と確認する。睡眠中の脳の記憶整理機能を最大限に利用します。 WHY 睡眠中に記憶が固定(記憶の固定化)される。寝る直前の学習はコスパ最強。翌朝の確認で定着率がさらに跳ね上がる。 |
CHAPTER 03 受験生向け|短期間で仕上げる選別戦略 |
試験日にピークを持っていくには、「丁寧な学習」を一度手放す必要があります。次の3ステップを猛烈に回してください。
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INSIDER TIP
過去問の「注釈なし単語」を狩る
解いた過去問・長文で「注釈がついていない&自分が知らなかった単語」こそ、その試験の頻出語。スマホのメモや付箋に「自分だけの間違い単語リスト」を作り、移動中やトイレでそれだけを眺める。既製品の単語帳より、志望校の傾向に直結します。
CHAPTER 04 早慶・難関大向け|「推測力」を武器にする |
難しい単語をひたすら丸暗記するのは、早慶攻略には向いていません。目指すべきは「基礎単語の瞬発力」×「未知語の推測力」の組み合わせです。
I. 基礎単語を「九九」レベルまで仕上げる
早慶に落ちる受験生の多くは難単語を知らないからではなく、「ターゲット1900」クラスの基礎語を思い出すのに0.5秒かかっているせいで読解スピードが落ち、自滅しています。難単語帳に手を出す前に、まず標準単語帳のどこを切り取られても日本語を介さずイメージが浮かぶ状態まで仕上げてください。
II. 文脈の中で単語を脳に入れる
早慶の英語は抽象度が高く、単語を単体で暗記するより難しい英文の中で「どう使われているか」をセットで覚える方が本番の対応力が段違いに上がります。分厚い単語帳をちまちま覚えるより、文脈型の単語帳をシャドーイングで仕上げる方が効果的です。
III. 語源で「推測力」をシステム化する
早慶レベルでは、絶対に知らない単語が3〜5個並ぶパラグラフが出てきます。接頭辞・語根の知識を軽くさらっておくと、未知語でも当たりがつけられます。
| 接頭辞 / 語根 | 意味 | 例 |
| pre- | 前もって | predict(予言する)= pre + dict(言う) |
| con- / com- | 共に・一緒に | combine(結合する)、connect(繋ぐ) |
| de- | 分離・否定・下方 | decrease(減る)、destroy(破壊する) |
| -tion / -ness | 名詞化 | nation(国)、happiness(幸福) |
SUMMARY
今日からできる「最初の一手」
| — | まず「1日100単語を、1週間毎日眺め続ける」を実行する |
| — | 単語帳は「読む」ではなく「隠してテストする」に切り替える |
| — | 寝る前15分+翌朝5分の「サンドイッチ」を習慣にする |
| — | 過去問の「注釈なし知らない単語」を自分専用リストに収集する |
| — | 難関大狙いなら、まず基礎単語を「九九」のように即答できるまで仕上げる |
単語学習で大切なのは、脳の性質に逆らわないことです。脳をうまくダマして正しい方向へ努力を向ければ、同じ時間でも結果は大きく変わります。焦らず、しかし確実に積み上げていきましょう。
YBA教育研究会では、各教科の学習を、単なる暗記や作業ではなく、「なぜそうなるのか」を考えるところから指導しています。
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