【英語・英文法】There is 構文の罠|なぜ「my smartphone」を後ろに置くとネイティブは絶句するのか?

【英語・英文法】There is 構文の罠|なぜ「my smartphone」を後ろに置くとネイティブは絶句するのか?

YBA教育研究会 | ENGLISH GRAMMAR | 世田谷・経堂

There is / are 構文の使い方|
“There”は「そこに」ではない

——スポットライト理論でつかむ There is の文

There is / are 構文は、「〜がある・〜がいる」を表す英語表現です。ただし、文頭の There をそのまま「そこに」と訳してしまうと、この構文の本当の使い方は見えにくくなります。

たとえば「机の上に本があります」を英語にするとき、次の2通りが考えられます。

「机の上に本があります」

A book is on the desk.

There is a book on the desk. ← 英語ではこちらが自然

どちらも文法的には成り立ちますが、英語では There is を使う方がふつう自然に響きます。

では、なぜ文頭に There を置くのでしょうか。そしてその There は「そこに」とは何が違うのか——この記事では There is / are 構文の意味と使い方、There is と There are の違い、a / the / my の使い分けを、スポットライト理論でわかりやすく整理します。

“there” を単独で見ると「そこに」という意味があります。Put it there.I went there yesterday. の there は確かに場所を表します。

しかし、There is a book on the desk. の先頭に立つ「There」は、それとは別の働きをしています。場所をほぼ意味しません。本当の役割は、まったく別のところにあります。

01

核心イメージ:劇場のスポットライト

There is 〜 を一言で言い表すなら、「ジャーン!こんなものがあります!」と新しいものにスポットライトを当てる合図です。

劇場の舞台が暗転している状態を想像してください。そこに突然スポットライトが当たり、新しいキャラクターが姿を現す——あの「ジャジャン!」という瞬間の合図が、There is / There are です。

EXAMPLE

There is a monster!

(ジャーン! モンスターが出た!)

この「There」に「そこに」という場所の意味はありません。「今から新しい情報を登場させますよ」という、幕が開く瞬間のような合図です。場所を表しているのは There ではなく、文の後ろにある on the desk や in the park の部分です。

02

文の組み立て方:パーツは3つだけ

文の組み立ては、次の順番で並べるだけです。

【合図】 + 【出したいもの】 + 【場所・状況など】

There is / are  +  名詞  +  場所・状況など(省略できることもある)

There is + a book + on the desk.

→ 机の上に本が1冊あります。

There are + two dogs + in the park.

→ 公園に犬が2匹います。

03

is と are の見分け方

is にするか are にするかは、スポットライトの後ろに現れる主役の数だけで決まります。

主役が 1人・1個主役が 2人・2個以上
There isThere are
There is a cat in the room.There are three cats in the room.

04

なぜ普通は「My pen」や「The dog」を後ろに置かないのか

There is my smartphone under the bed.」——この英文をネイティブに見せると、強い違和感を覚えると言います。なぜでしょうか。

英語には、「古い情報(すでに知っていること)を前に、新しい情報を後ろに置く」という傾向があります。

The cat is on the chair.

「The cat(あの猫ね)」は聞き手が知っている古い情報 → 前に置く。「on the chair(椅子の上)」は新しい情報 → 後ろに置く。

There is a cat on the chair.

「a cat」は聞き手がまだ知らない新しい情報 → 後ろに置きたい。英語は主語なしで文を始めることができないため、中身が空っぽの「There」を先頭に立たせ、主語の席をキープしているのです。文法用語では「形式主語」や「虚辞の there」と呼ばれます。

だから「my smartphone」や「the key」のように、お互いが知っている特定の物を There is の後ろに置くと、「新登場!」という役割と情報の流れが合わず、不自然になりやすいのです。

使い分けの鉄則

There is 〜:相手がまだ知らない「新登場」のものを出すとき

例)There is a cat in the garden.(誰も知らない猫が!)

My 〜 is / The 〜 is:お互いに知っているものの場所や状態を伝えるとき

例)My cat is in the garden.(うちの猫は庭にいるよ)

05

疑問文と否定文:変身のルール

QUESTION — be動詞を There の前に出す

Is there a convenience store near here?

(この近くにコンビニはありますか?)

答え方:Yes, there is. / No, there isn’t.

NEGATIVE — be動詞の後ろに not を置く

There isn’t any water in the bottle.

(ボトルの中に水がまったくありません)

06

ネイティブはなぜ会話で「There’s people」と言うのか

海外ドラマや日常会話で、こんな表現がよく飛び交っています。

🗣 “There’s a lot of people here.” (標準文法では There are

🗣 “There’s so many things to do.” (標準文法では There are

会話では there’s が「存在を出す合図」として半ば固定表現のように使われ、後ろが複数でもそのまま出てしまうことがあります。特に a lot of が続く場合は日常的に広く聞かれます。

⚠️ テスト・フォーマルな文書では必ず There are を使ってください。

07

上級編:be動詞以外との組み合わせ

There 構文では be動詞だけでなく、存在・出現・状態を表す動詞が使われることがあります。「こんなものが現れる」というニュアンスさえ保てれば、表現の幅は大きく広がります。

There lives a wise man in the village.

(その村には、ある賢者が住んでいました)
会話というより物語・書き言葉でよく見られる形。is を lives に変えるだけで、オープニングのような品格が生まれます。

There seems to be a mistake.

(間違いがあるようです)
相手を直接責めず、問題の存在だけをやわらかく示すクッション表現。ビジネスシーンで重宝します。

CHECK

確認問題(全5問)

Q1 ★☆☆

空欄に入るのは is と are どちらでしょう?

There (  ) five apples in the box.

ANSWER

◎ are

スポットライトの後ろの主役が five apples(5個=複数)なので、are になります。

Q2 ★★☆

次の英文はこの文脈では不自然です。どこが問題でしょう?

There is my smartphone under the bed.

ANSWER

◎ my smartphone の位置が不自然

自然な英文 → My smartphone is under the bed.

my smartphone は「すでにわかっている特定の物」。「新登場!」の There is の後ろに置くと、英語の情報の流れとして不自然に感じられます。

Q3 ★★☆

次の質問への返答として正しいものを選んでください。

Is there a toilet in this store?

A)Yes, it is.

B)Yes, there is.

C)Yes, I am.

ANSWER

◎ B)Yes, there is.

Is there 〜? と聞かれたら、There を使って返すのが鉄則です。A の it に引っかからなかった方は上出来です。

Q4 ★★★

seems to be を使って、次の日本語を丁寧な英語にしてください。

「何か問題があるようです」

ANSWER

◎ There seems to be a problem.

is の代わりに seems to be を入れるだけで、相手を直接責めず問題の存在だけをやわらかく示せます。ビジネスシーンで非常に重宝する一文です。

Q5 真の理解度テスト

次の2文はどちらも「庭に犬がいます」と訳せることがありますが、英語ではニュアンスが違います。ネイティブはこれをどう使い分けているか説明してください。

① There is a dog in the garden.

② The dog is in the garden.

ANSWER

There is a dog… =「ねえ見て!庭に(誰も知らない)犬がいるよ!」(新情報の登場)

The dog is… =「(さっきから話してる/うちで飼っている)あの犬は、今は庭にいるよ」(すでに知っている犬の居場所を伝えている)

主役が a dog(初登場)か The dog(あいつ)かで使い分けを意識的にコントロールできれば、There 構文の核心はしっかりつかめています。

最後に、一つ問いかけます。

今この瞬間、あなたの周りにある「相手がまだ知らない何か」を英語で言ってみてください。
There is… と声に出した瞬間、英語の感覚が少し変わるはずです。

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