シェイクスピア|なぜ who is は省略されるのか?後置修飾の構造から見抜く「長文読解」の本質

シェイクスピア|なぜ who is は省略されるのか?後置修飾の構造から見抜く「長文読解」の本質

YBA教育研究会|英文法解説シリーズ

【シェイクスピアの名文から学ぶ!】
関係代名詞の省略と後置修飾──
中学後半から高校英語まで効く読解文法

「英語の長文が読めないのは、単語力が足りないからだ」——多くの人はそう思っています。

しかし実際は、単語をすべて知っていても読めない文が存在します。名詞の直後に動詞のような形が来て、文の構造が突然見えなくなる。その正体は、単語の問題ではなく 語順のルール の問題です。

このルールを一つ知るだけで、長文の見え方がかなり変わります。今回学ぶのは 分詞による後置修飾。400年前のシェイクスピアの名文を入口に、現代英語の読解に直結する仕組みを見ていきましょう。

① シェイクスピアの名言に隠れた文法

“And therefore is winged Cupid painted blind.”

── William Shakespeare『真夏の夜の夢』

(訳:だから、羽のあるキューピッドは盲目に描かれているのだ)

シェイクスピアの英語は古風な詩的語順をとるため、現代英語に直すとこうなります。

原文(詩的語順)…is winged Cupid painted blind.
現代語順に直すとwinged Cupid is painted blind.
日本語訳羽のあるキューピッドは、盲目に描かれている。

ここで登場する painted blind(盲目に描かれた)は、過去分詞が名詞に情報を添えるという感覚を見せてくれます。
この「名詞+過去分詞」の形は、現代英語では後置修飾としてごく普通に使われます。

たとえば──

▼ 現代英語での後置修飾(省略の仕組み)

元の形the letter [which was] written in French
省略後the letter written in French (フランス語で書かれた手紙)

② なぜ「who is」「which is」は省略されるのか?

英語では、主格の関係代名詞(who / which / that)+ be動詞 のあとに分詞・形容詞・前置詞句などが続く場合、意味が明らかなときにこのセットを省略できます。意味が重複する部分を省き、説明部分だけを名詞の後ろに残す、という仕組みです。

📌 省略のルール

名詞の直後に 【関係代名詞 + be動詞 + 分詞/形容詞/前置詞句】 が続くとき、
関係代名詞+be動詞をまとめて省略し、過去分詞(made / written など) または 現在分詞(〜ing) だけを残して名詞を後ろから修飾できる。

※ 特に「be動詞+過去分詞」「be動詞+現在分詞」の形でこの省略がよく起こります。すべての主格関係代名詞が省略できるわけではありません(例:The man who is my teacher → The man my teacher とは言えない)。

③ 日本語と英語で「語順」が真逆になる理由

日本語と英語では、名詞を説明するときの語順が根本的に違います。ここが「英語がわかりにくい」と感じる原因のひとつです。

日本語(説明が先)英語(説明が後ろ)
【盲目に描かれた】キューピッドCupid 【painted blind】
【日本で作られた】車the car 【made in Japan】
【事故で壊れた】窓the window 【broken in the accident】

💡 英語の発想:「まず名前をドンと言ってから、どんな〇〇かを後ろから詳しく説明する」
日本語の発想:「どんな〇〇かを先に言ってから、名前で締める」

英語を読むときは、「名詞が出たら、その後ろにまだ説明が来るかも?」と構えるクセをつけましょう。

④ 過去分詞だけじゃない!現在分詞(〜ing)も同じ仕組み

「who is」の後ろに来るのは 過去分詞(〜ed / made / written など) だけではありません。現在分詞(〜ing) でも同じように後置修飾が起こります。

分詞の種類意味のニュアンス例文
過去分詞(〜ed)「〜された」(受け身・完了)the car made in Japan
日本で作られた車
現在分詞(〜ing)「〜している」(能動・進行)the girl standing by the window
窓のそばに立っている女の子

【省略の確認】

the girl [who is] standing by the window

the girl standing by the window

⑤ 実際の文でトレーニング!例文集

次の例文を見て、[ ] の中を補いながら意味を確認してみましょう。

省略された形元の形(省略前)
the language spoken in Brazilthe language [which is] spoken in Brazil
(ブラジルで話されている言語)
the boy sitting next to methe boy [who is] sitting next to me
(私の隣に座っている男の子)
the picture taken in Kyotothe picture [which was] taken in Kyoto
(京都で撮られた写真)
the students waiting outsidethe students [who are] waiting outside
(外で待っている生徒たち)

⑥ 練習問題

次の( )に入る適切な形を選びなさい。(答えは下に)

問1 The cakes (   ) at this shop are delicious.
(このお店で作られているケーキはおいしい)
ア. make  イ. made  ウ. making

問2 The man (   ) in front of the station is my uncle.
(駅前に立っている男性は私のおじです)
ア. stands  イ. stood  ウ. standing

問3 The singer (   ) by many fans is from Japan.
(多くのファンに愛されているその歌手は日本出身だ)
ア. love  イ. loved  ウ. loving

📝 答え

問1:イ. made(受け身→過去分詞。[which are] made at this shop の省略)
問2:ウ. standing(〜している→現在分詞。[who is] standing の省略)
問3:イ. loved(〜されている→過去分詞。[who is] loved by many fans の省略)

⚡ この文法の核心

「名詞 + 過去分詞(〜ed)」=「〜された名詞」 → 後ろから訳す
「名詞 + 現在分詞(〜ing)」=「〜している名詞」 → 後ろから訳す
「関係代名詞+be動詞」を補うと意味が見えやすい。実際の読解では「名詞+分詞=後ろから名詞を説明」と捉えればよい。現代英語でよく使われる形。
日本語に訳すときは後ろから戻る。英語を読むときは「名詞をつかみ、その後ろの説明を前から足していく」感覚が長文読解のスピードにつながる。

YBA教育研究会

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